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ブログ - サインポスト投資コンサルティング合同会社

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二人の老後を分けたもの

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年09月16日(水)

全く同じような会社人生を歩んだ二人

A氏とB氏はともに大手電機メーカーに同期として入社し、お互い切磋琢磨しながら52歳で部長にまで上り詰めた後、60歳の定年退職後は再雇用制度により65歳まで働きました。定年退職時までのお互いの生涯平均年収は700万円で再雇用後の収入は半減とお互い全く同じような会社人生を歩んできました。入社当時から仲が良く、結婚後も家族ぐるみの付き合いをするなどお互いのことは誰よりもよく知っている間柄でした。また老後のことについても早い段階からお互い相談しながら準備を進めていました。

 

老後についても相談しあった二人

いろいろな書籍やセミナーなどを通して勉強もした結果、少なくとも定年までは年収の5%は積立投資(バランス型投信で運用)をしようと25歳の頃から着手し他、年収の10%は貯蓄に回して車の購入費用や住宅購入の頭金の他、子供の教育資金といったライフイベントに充てるための備えとすることにしました。お互い子供は1人だけで住宅に関しても3500万円で郊外のマンションを3000万円の融資を受けて購入しました。お互い当初想定していた人生設計どおりの歩みを刻んできた結果、60歳の定年退職時にはお互いに積立投資で得た2373万円(期間利回り複利で5%)と退職金の2000万円とを合わせた4373万円が手元に残っている筈でした。

 

そして再雇用後は年収が半減するので、月収は年金とほぼ同額の21万円となるため、定年後は35万円の生活費を賄うのに毎月14万円の赤字となることから、この時点から完全な取り崩し生活がスタートすることとなるものの、これも想定どおりでした。貯蓄が4373万円あれば毎月14万円の赤字が出ても60歳から26年間(14万円×12ヶ月×26年間=4368万円)、つまり平均寿命(男81歳、女86歳)まではどうにかなるという計算でした。しかし、ここに来て人生100年時代と言われるようになり急に心細くなってきたA氏はB氏にこの件で相談しました。

 

B氏の下した英断

そうしたらB氏には「そうだろ?だから言ったじゃないか」と言われ、ハタと30歳の頃にB氏から持ち掛けられたある相談事を思い出しました。B氏はその頃から、やはりぎりぎりの老後準備では心細いと思うようになり、A氏に二人で不動産投資を始めないかと持ち掛けてきたことを思い出したのです。B氏の話によると不動産投資は銀行から投資物件の購入代金が借りられる上、その返済は家賃収入で賄うことが出来るため、ローンの返済終了後は負債のない不動産という資産を手に入れることの出来る、他人資本をフル活用した(詳細な仕組みは「不動産投資は他人資本を活用した積立投資」をご参照下さい)極めて効率的な投資手法であるという説明を受けていました。

 

またローンの返済は基本的に家賃収入で賄えるので、それまで計画してきた年収の5%を積立投資に回すことや年収の10%を貯蓄するという計画についてもそのまま継続することが出来るため、老後資金は追加負担なしで当初計画案の貯蓄額に不動産資産がプラスオンされたものになるとのことでした。ただA氏は老後に対してまだ楽観視していたため、そのときのB氏の提案に対して「うーん、取合えず平均寿命までは何とかなるし、何だか面倒くさそうだから俺はいいや」と答えていたのでした。B氏は仕方なく自分ひとりで不動産投資を始めることにしたそうです。

 

B氏は30歳のときから5年間かけて550万円(頭金+費用)ほどを不動産投資の初期費用として貯蓄から取り崩し、2250万円の区分所有ワンルームマンションを2戸購入しました。頭金は各々物件価格の10%として残りは銀行からの融資を受けました。その結果、65歳の時には借入金の全額を返済し、2つの物件は経年劣化によりその価値は当初の各戸2250万円から1790万円には落ちたものの、2戸合わせて3580万円の不動産という資産が残りました。これらをその時点で売却し200万円ほどの取引コストはかかったものの、それでも3380万円は手元に残ったのです。

 

またこの売却代金に加えて、積立投資や貯蓄で得た1823万円(550万円取り崩しているのでA氏よりその分少ない)と退職金の2000万円と合わせて7203万円が最終的に残りました。A氏の同時点での4373万円に比して2830万円多く老後資金を準備することが出来たことになります。2830万円あれば老後資金の寿命はA氏より17年弱(2830万円÷(14万円×12ヶ月)=16.8か月)長くなるため103歳までは安泰ということになります。つまりこのまま行くとA氏は86歳の時点で老後資金が枯渇するのに対して、不動産投資で更に準備を万全にしていたB氏は人生100年を安泰に全うできる103歳までは老後資金が枯渇しないという結果となり、同じような人生を歩んできた筈だった二人の間には大きな格差が生じてしまうこととなったのです。

 

A氏のその後

A氏は仕方なく仕事を探すことにしましたが、65歳を過ぎるとさすがに現役時代のような収入が得られる仕事はもう見つかりません。これまで事務職以外経験してきたことのないA氏にとってはややきつい肉体系の仕事で、しかも収入は15万円/月程度のものしか見つかりませんでした。それでも老後破産するよりはと思い、その仕事を受け入れる決断をしましたが、この収入でB氏との間に生じた2830万円という格差を埋めるとなると16年近く働かなければいけないことになります。つまり81歳までは働くということであり、それまでは健康的な体や働く意欲も維持しなければならないということになります。こうした現実を突きつけられたA氏は途方に暮れると同時に思わず身震いしてしまいました。

 

如何だったでしょうか。これは自分の中のA氏とB氏に置き換えることもできます。不動産投資という英断を下したB氏と「面倒くさい」という一言で片づけてしまったA氏との間に生じた格差。不動産投資は決して面倒くさくはありません。管理業務は全て不動産管理会社が代行してくれます。自分がしなければならないことはたった一つの決断だけです。このちょっとした決断が後の人生に大きな格差を生じさせることになるのです。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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株価は当面調整局面か

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年09月09日(水)

812日のブログで「今の不動産や株式市場はバブルなのか」という記事の中で、どちらも基本的には経済状況や企業業績に裏打ちされた水準にあり、決してバブルではないと記述しました。ただ、その後の株式市場の上昇ピッチは明らかに早過ぎると感じています。コロナ禍前までの株価に関して言えば、前述の通りファンダメンタルズや企業業績に支えられた水準での推移であったことは間違いものと考えています上、コロナショックで急落した後の戻りに関しても、ある程度は各国政府や金融当局による積極的な財政支援や金融政策によるものということで説明も出来ます。

 

しかし、直近1カ月程度の上昇に関して言えば、ややファンダメンタルズから乖離し始めており、依然として決してバブルではないものの、明らかに割高感が出てきている水準にまで急激なペースで上昇してきていると筆者は考えています。特に米国NASDAQの上昇ピッチは異常としか言えません。確かにこのコロナショックを受けて、デジタルトランスフォーメーションの波がコロナ前では考えられないペースで進展してきていることは事実であり、ハイテクセクターが買われるのは理に適っていることも事実ではあります。しかし、NASDAQPER60倍の大台に乗せてきたということはITバブル以来のことであり、明らかに警戒水準に達したと言えるでしょう。

 

確かにITバブル時に比して金利水準が大幅に低下しているため、同じPER60倍と言えどもイールドギャップ(長期国債利回り-株式益利回り)という点を踏まえるとバブルとは言えない水準ではありますが、それでもPER60倍というのはハイテク株の業績を先取りし過ぎている感は否めません。ハイテク株以外の株式市場については、最悪の状況を織り込む形で3月に一旦大きく下落した後は、積極的な景気対策やワクチン開発の状況を踏まえながら戻ってきた経緯がありますので、ある程度は説明出来る水準にあるとは思います。それでも今の水準はあくまでも積極的な財政支援と金融緩和によって支えられた水準である点を忘れないようにしなければなりません。主要国の4-6月期GDP成長率は前年同期比でマイナス9.1%となりました。そして世界経済がコロナ前の水準を取り戻すのに最低2年はかかると言われています。

 

足元は各国政府による景気刺激策というカンフル剤で何とか回復傾向にはあるものの、今後ともしばらくは行動制限という重しが付きまとう状況が続くことが避けられない限り、V字回復とはなり難いでしょう。金融緩和策は別として、今の財政面での景気刺激策が今後とも同じような規模・ペースで続くことも考え難いことから考えると、ワクチンが世界的に行き渡った上で行動制限がなくなり、経済が自律回復していくことが実際に見えてこないと今の株価水準は砂上の楼閣となり得るでしょう。こうした状況も踏まえると、今の株価水準を維持することすら難しい状況であることは否めず、経済の自立回復が現実に見えてこない限りは、株式市場は今後ある程度の調整局面を迎えざるを得ないのではないかと筆者は考えております。ハイテクセクターがかなり割高な水準にあることも踏まえれば、日経平均で18000円程度までの調整は充分あり得るのではないでしょうか。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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安倍首相辞任に思うこと

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年09月02日(水)

828日に安倍首相が突然辞任を表明されました際はとても大きな衝撃を受けましたと同時に、更なるご活躍を期待していたこともあり極めて残念な気持ちにもなりました。78カ月という超長期政権が故に官僚の忖度や他者の意見に耳を傾けないと言った副作用なども産みこそはしましたが、特に経済面や外交面で大きな成果を残した功績は称えられるべきと筆者は考えています。第二次安倍政権発足前はバブルの崩壊、リーマンショックの他3.11などを経て日本経済は長期の停滞期にあり、底なしのデフレに喘ぎ日経平均は史上最安値を更新するなど泥沼状態にあったと言っても過言ではないでしょう。

 

その他、政治面においては1年毎に首相が変わるような極めて不安定な状態が続いていたため、何ら有効な政策も打出されず海外からの信頼も失墜し、日本の世界におけるプレゼンスは地に落ちていました。こうした環境下で第二次安倍政権が発足し、当時はタブー視されていたリフレ策であるアベノミクスが打出されました。その結果、長いデフレ期に伴う円高に歯止めをかけた(理解していない方もいますがデフレ=物価下落=通貨価値上昇=円高)ことを契機に、企業業績は大幅に改善し、株価も上昇に転じた他、雇用環境も大きく改善するなど経済がようやく回り始めるようになりました。このように言うと「雇用環境は改善したが実質賃金は下がった」や「株価上昇は単なるバブルの創生」といった反論を受けると思いますが、これらの点には以下の理由から同意しかねます。

 

先ずは実質賃金(賃金上昇率-物価上昇率)についてですが、物価の上昇に賃金上昇が追い付かなかったことは事実ではあります。この点については社会保険料の上昇や消費税増税の影響もありましたが、それよりも何よりも筆者はこの間、企業業績が大幅に改善していたにも拘らず賃上げを抑えて内部留保を大きく積み上げてきた企業側の責任が全く追及されないのは正直おかしいと考えています。アベノミクスにより企業業績が改善される環境が作り出されたことは事実であり、それに伴って企業業績が大幅に改善したことも事実です。しかし、多くの企業は業績の改善に見合っただけの賃上げをせず、その大部分を内部留保という形で企業内に溜めこんでしまったことが実質賃金を低下させてしまった元凶であると筆者は考えています。

 

次に「株価上昇は単なるバブルの創生」という反論についてですが、詳しくは筆者の以前の記事「今の不動産や株式市場はバブルなのか?」を参照して頂きたいと思いますが、基本的には前述のとおり、アベノミクスにより企業業績が大幅に改善した結果として株価が上昇したということであり、決してバブルではありません。勿論、過剰流動性的な側面もあることはありますが、PERなどもこの間、13倍~17倍程度の極めて安定した水準に保たれていたことからも見られますとおり、この間の株価上昇は企業業績の改善に裏打ちされたものであり、決してバリュー面を無視した上昇ではなかったと言えるでしょう。

 

その他にも格差拡大問題など反論はあるとは思いますが、これについては資本主義経済の構造上の問題でもあり、どのような政策を打出したところで回避不能な面もあります(詳しくはこちらの記事)ので、この点はベーシックインカムの導入など社会構造の抜本的な変更を伴う議論でもあり、日本のみならず将来の課題としてこれから真剣に取り組まなければならない社会問題だと筆者は考えています。故にアベノミクスとは切り離して議論するのが妥当でしょう。いずれにしても安倍首相就任後の景気回復は様々な景気指標が示すとおり明らかに進展したことは間違いないと思われます。

 

また外交面においては、離脱した米国の後を引き継いで、主導的な立場でTPP11を成し遂げた他、FTAも積極的に推し進めたことで世界の自由貿易の進展に大きく貢献もしました。辞任表明後には各国首脳から好意的なコメントや安倍首相の功績を労うコメントも多く寄せられたことからも、在任中の外交が大きな成果を成し遂げていたことを物語る証左でもあると言えるでしょう。北朝鮮の拉致問題や北方領土問題の解決には漕ぎつけなかったものの、これは多分ご本人が一番悔やんでいることと思いますが、相手が相手なだけに誰がやっても至難の業だったのだと思いますし、元々時間のかかる問題でもあります。それでも少なくともロシアのプーチン大統領とは良好な関係が築けたことから、今後に繋がる功績は遺せたのではないでしょうか。

 

以上のように問題もありましたが、多くの成果を残した安倍首相ではありますが、28日の辞任表明を報道する多くのメディアは「また投げ出し」という文言を添えて批判的な報道をしていたのを見て、正直これらメディアには「また」失望させられました。前述した経済面や外交面での功績に加えて、在任中に国政選挙6連勝という国民の圧倒的な支持を得た上で78カ月という長期間に亘って国政にご尽力され、病という不可抗力な理由によりやむなく退陣される安倍首相に対して「お疲れさまでした」「お大事に」という労いの一言もなかった点は、日本のメディアがどれだけ低俗であるかを再度確認させられました。

 

日本のメディアは一面的な部分にのみ焦点を当て、一面的なキャスターの薄っぺらな私見を添えて報道する悪い癖があります。メディアは中立的な立場で報道するのが基本中の基本です。そしてどうしても私見を挟みたいのであれば、その問題を様々な視点から深堀した結果を報道した上で私見を述べるべきだと思います。それはそれとして、無念の退陣をされた安倍首相には本当にお疲れ様でしたと申し上げたいですし、今後は是非とも治療に専念されて、一日も早い回復をお祈りしています。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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不動産投資は生命保険代わりになる?

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年08月26日(水)

生命保険の代替と言われる所以

不動産投資をしたことにより生命保険が不要になるという話をよく耳にしますが、本当でしょうか。不動産投資を行う際、購入代金の大部分を借入金にて賄うケースが多いと思います。そして銀行から不動産投資のための融資を受ける際は団体信用生命保険(以下団信)に加入することが必須条件となります。では団信とは一体どのようなものなのでしょうか。これは不動産投資に限らずマイホームを購入する際にも利用される保険で、契約者が返済中に亡くなったり、高度障害状態になったりしたときに、ローンの残額を肩代わりしてもらえる保険のことです。つまり、ローン契約者に万が一のことが起こっても、残された家族が借金の返済に困らないようにするための生命保険の一種ということになります。

 

もっと言えば、残された家族には借金のない不動産が相続されるということであり、相続人がその物件を売却すればその不動産の時価分だけのまとまった資金が保険代わりとなりますし、そのまま保有し続けてもその不動産から得られる家賃収入が遺族年金に上乗せされて残された家族の生活資金ともなるということになります。最近では死亡や高度障害以外にも、三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)や八大疾病(三大疾病に加えて、糖尿病、高血圧性疾患、肝硬変、慢性膵炎、慢性腎臓病)も対象とする団信もあり、通常の生命保険と変わらない保証が提供されるようにもなってきています。また、その保険料は借入金利に0.25%(三大疾病や八大疾病は0.3%)を上乗せする形で支払うこととなるのですが、通常の終身保険よりは断然安いという特徴があります。このようにカバーされる範囲も遜色がない上に安いということから、不動産投資をしたら生命保険は不要となると言われる所以なのです。

 

本当に生命保険は不要になるのでしょうか

本当でしょうか。確かに残債のない不動産という資産が相続されるのですからある意味では生命保険に匹敵するのは間違いありません。しかし、それを生命保険代わりとするには、先ずは大前提としてその相続した不動産がその後の家族の生活費を十分カバーするだけの価値を有する物件であるということが必要になってきます。通常の保険に入る際には予め死亡した時に受取人が受取ることの出来る保障額が設定されています。つまり、5000万円の死亡保障のついた保険に入れば死亡時に受取人は必ず5000万円を受け取ることが出来ます。しかし不動産の場合は当然のことながら時価が変動しますので不動産価格が値下がりしている場合は購入時こそ5000万円だったとしても、受取る段階ではその額を下回っていることも当然あり得る点は考慮しておく必要があります。

 

こうした変動は読み難いことから、不動産のみで生命保険の代替とするからにはある程度多めの投資をしておくことが必要ということになります。また、家族が生活していくのに十分な家賃収入が稼げている物件であったとしても、例えばご自身の葬儀代であったり、お子さんの進学費用などのライフイベントに必要なまとまった資金には対応出来ていないでしょうから、こうした点も考慮しておく必要があります。よく不動産会社の営業マンが「不動産投資を始めたら生命保険はいらなくなります」という営業トークをしているのを耳にしますが、先述のような理由から不動産投資を始めたからと言って、もう生命保険は必要ないと考えるのはやや短絡的過ぎると筆者は考えています。

 

高額な終身保険は確かに不要でしょう

勿論、保険の見直しは必須です。それまで加入していた大きな額の終身保険などは当然のことながら必要なくなるのは事実です。ただ、先述しましたがご自身が亡くなった際は葬儀代などまとまった資金が直ぐに必要となります。しかし、ご自身名義の銀行預金は相続の対象となるため直ぐには降ろすことが出来なくなりますし、当然のことながら相続した不動産も流動化するとなれば相当な時間がかかります。こうしたことから最低限必要な葬儀代であったり、もしお子さんの進学が近いなどの明確なライフイベントが差し迫っているなどの場合にはその分だけの安い定期死亡保険にだけは入っておく必要があります。その他、団信の種類によっては死亡や高度障害以外にも三大疾病などもカバーされているというお話をさせて頂きましたが、盲点は精神疾患なのです。

 

精神疾患はカバーされていないため、例えばうつ病などにより就労不能となってしまった場合はライフプランが大幅に狂うこととなってしまいます。そのため団信と組み合わせる形で、先の最低限の定期死亡保険に加えて就労不能保険にも加入しておけば更に安泰と言えるでしょう。ただ、こうした定期死亡保険や就労不能保険は終身保険などの本契約に付帯する特約だから結局は終身保険に入らないといけないのでは?と疑問に思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はよく知られていないのですが、最近では保証のない本契約というものが存在していて、その本契約に好きな特約だけを組み合わせることで、格安で必要最低限の保証だけを手に入れることが可能なのです。

 

保険会社としてはやはり終身保険に加入して欲しいというのが本音であるため、率先してこうした提案はされませんし、こうしたことをあまり公にはしていませんが、こちらから申し出れば渋々出して来る筈です。ということでまとめますと、①不動産投資を始めたら保険の見直しは必要ですが全く保険がいらなくなる訳ではないという点には留意が必要です。②団信でカバーされない分は生命保険の特約の組み合わせで必要最小限の保証だけは確保するようにしましょう。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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マンション投資は中古を選ぶべし

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年08月19日(水)

区分マンション投資を検討する際の選択肢の一つとして新築物件にするか中古別件にするかというものがあります。どちらもメリット・デメリットありますが、結論から申し上げると筆者は原則として築15年以上の中古物件を勧めています。以下ではなぜ筆者がこうした物件を勧めているのかについて説明していきたいと思います。その前に新築物件の定義ですが、新築マンションとは竣工後1年未満で未入居という2つの条件を満たしている物件をいいます。竣工後1年未満であっても一度でも入居実績があれば中古という扱いになりますし、入居実績がなく竣工後1年以上経過した物件は「新中古」とか「未入居」というカテゴリーとなります。

 

なぜ新築が投資対象として適さないのか

かつて日本には新築物件に対する信仰みたいなものがありました。今でこそ若者を中心に中古品に対する抵抗感が薄れたこともあり、マンションに関しても中古物件に対する見方が変わってきているのも事実ではある一方で、未だに新築信仰はそれなりに残っているのが実情であり、故に特に自宅用物件については新築に対する需要は引き続き強い傾向にあります。こうした新築信仰に支えられている側面もありますが、新築物件の最大の特徴として挙げられるのが、やはり中古物件に比して価格が高いという点でしょう。自宅用ということなら真新しいマンションに住みたいという気持ちは分からないでもありませんが、投資という観点からすると価格が高いということは当然のことながらその分、投資利回りが低下してしまうこととなりますので、投資家としては見過ごせない点でしょう。

 

新築プレミアムの正体とは

そしてこの価格が高いという点については更に知っておかなくてはならない構造的な側面があります。新築と中古が同じような条件下にあった場合の価格差は新築プレミアムと呼ばれています。そして実はこの新築プレミアムにはちゃんとした裏付けがあります。どのようなものかと言えば、開発デベロッパー、販売業者、建築業者の利益の他、販売する際の広告宣伝費などの販管費が実際の物件価格に上乗せされているものなのです。

 

つまり、実際の物件価格(土地取得費+建築費)に利益や販管費が上乗せされている部分が新築プレミアムなのであり、この新築プレミアムは販売されて中古というカテゴリーとなった瞬間に消滅してしまうものなのです。そしてこの新築プレミアムは概ね売出し価格の10%~15%を占めていると言われています。例えば3000万円が売出し価格だとすると、その内の300万円から450万円が新築プレミアムとうことになり、これは買った瞬間に消えてなくなってしまうという性質を有しています。

 

「想定賃料」は想定であり実勢ではない

また新築投資用物件の販売パンフレットなどによく記載されている「想定賃料」というものがあります。そしてこの「想定賃料」に基づいて「想定利回り」が算出される訳ですが、これはまだ入居者がいない段階で「想定」した賃料・利回りであって、その賃料で実際に入居者が募集できるかは分からない状態なのです。先に新築物件価格には新築プレミアムが上乗せされているため、価格が本来の実勢価格よりも高いと説明しましたが、この「想定賃料」はこのプレミアムが乗った価格に対して想定しているため、当然この「想定賃料」も実勢賃料よりも高く設定されることが多いのです。そうでないと利回りが低すぎて投資用としての魅力がないためです。

 

つまり、「想定賃料」で入居者の募集をかけても集まらない可能性が高いと言えます。そうなると賃料を下げて募集することとなるため、当初の想定賃料では黒字だった筈のキャッシュフロー(賃料-ローン返済額-管理修繕費等)も赤字となる可能性が高くなります。また仮に新築信仰の強い入居者が当初の想定賃料で入居してくれたと仮定しても、その入居者が例えば23年で退去した後は、周辺の中古物件と同様の実勢賃料にまで下がってしまうので、遅かれ早かれキャッシュフローの悪化は避けられません。

 

勿論、新築物件にもメリットはあります。例えば、①設備が新しいため、入居者募集時のアピールポイントになる他、設備も直ぐには故障しないため当面修繕費用がかからない。②設備部分の減価償却期間が短いため、ある一定期間は節税効果が高い。③新築物件はフルローンの融資審査が通り易いなど。しかし残念ながら、この程度のメリットでは先述した新築プレミアム分の損失や中古となった後のキャッシュフローの悪化分の影響があまりにも大き過ぎて、これらを回収することは出来ないのが現実なのです。

 

中古物件は価格も賃料も安定している

その点、中古物件には新築プレミアムが存在しませんので、買った直後に大きな評価損失を被ることも無いですし、賃料も比較的安定しているためキャッシュフローも読み易いという特徴があります。勿論中古マンションでも、建物部分は「物」である以上は経年劣化もしますし、それに伴って価格も下落していきます。しかしこの経年劣化に伴う価格の下落幅は築15年ぐらいまではある程度スティープ(勾配が大きい)ではありますが、その時点を過ぎるとどんどん平坦になっていくという特徴があります。

 

また賃料についても価格よりは安定しているものの、ほぼ価格同様の傾向が見られますので、築15年以上の物件については価格面、賃料面でも更に読み易いという点から投資には適した物件と筆者は考えています。勿論、新築や築浅の物件でもロケーションなど周辺環境が素晴らしい物件などについては、人気のビンテージ物件となることもあり、経年劣化しても価格・賃料とも下がり難い物件も中には存在しますので、一概に築年数のみでは判断出来ないという側面もある点には留意が必要ではあります。

 

中古物件の魅力は価格や賃料の安定だけではない

中古物件のメリットは価格や賃料が安定しているということだけではありません。中古物件は新築と違って既に存在しているため、そこにはどのような住民が住んでいるかなどの環境が確認出来る他、管理状態も見ることが出来るという利点もあります。投資用の中古物件は既に入居者がいる状態で取引される、所謂オーナーチェンジであることが多いため、実際の部屋の中までは内見出来ないものの、少なくとも建物全体の状態は確認することが出来るため、管理状態の悪い変な物件を掴んでしまったという失敗は避けられます。

 

不動産投資は長期保有をしてこそ、その最大の魅力が発揮される投資手法であるため、長期に亘って収益をあげてもらわないとなりません。そのためには物件の管理状態が良くないと、当然のことながら賃料も下がる上、それに伴って資産価値も下落してしまうため、何らかの理由で手放さなくてはならなくなった時に出口戦略が描けなくなってしまいます。こうした観点からも実物を確認することが出来るというのは大きなメリットと言えます。不動産投資は経済動向も含めて様々な複雑な要因に左右されることがありますが、少なくとも投資する物件が好立地であることを見極めた上で、新築プレミアムが乗っかっている割高な物件や管理状態の悪い長期投資に耐えられない物件にさえ手を出さなければ大きな失敗は避けられるという観点から、特に不動産投資初心者には中古物件から始められることをお勧めします。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎) 

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今の不動産や株式市場はバブルなのか

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年08月12日(水)

 

結論から言えばバブルではない

現在の不動産や株式市場についてバブル状態にあるのか否かという議論をよく見かけますし、筆者もこの件で意見を求められる機会も多くありますので、今回はこの件について筆者の考えを記したいと思います。結論から申し上げると、どちらもバブルではないというのが筆者の答えです。先ずはバブルの定義から確認したいと思います。バブルとは主に投機などにより資産価格が経済成長以上のペースで高騰し、実体経済から大幅にかけ離れてバリュエーション(経済的な価値評価)では説明出来ない水準にまで達した状態を言います。

 

バブル期の不動産市場はどのような状態だったか

日本は1980年代後半から1990年代初頭にかけてこの状態にありました。不動産価格は年率で20%から50%という驚異的なペースで上昇して、ピーク時の1990年後半には、最もリスクの低いとされる国債の利回りが、10年物で当時は6%~7%程度で推移していた中、不動産の利回りであるキャップレート(年間賃料÷不動産価格)は2%~3%まで低下(不動産価格は上昇)し、物件によっては1%台というものまで出現していた状況でした。つまり、本来であれば最も信用度、流動性が高い資産(リスクの最も低い資産)である国債の投資利回りが最も低い筈なのに、当時はその国債よりも不動産の利回りの方が大幅に低かったことになりますので、バリュエーションという観点から見れば当時の不動産市場は明らかに説明の出来ない領域にあった、つまりはバブルであったと言えます。

 

バブル期の株式市場はどうだったか

株価に関しては、198912月末に日経平均が歴史上のピークである38,915円まで上昇しましたが、この時の株価を年間の1株当たり当期純利益で割って算出されるPER(株価収益率)は61.7倍でした。当時は高度経済成長後であったこととジャパン・アズ・ナンバー・ワンと言われるほど日本経済に対しての期待値が最も高かった時代でもあったため、PERがある程度高めに推移することは当然あり得たとは言え、それでも説明可能な範囲はせいぜい30倍~40倍まででしょう。仮に当時の1株当たり純利益で35倍のPERとなる日経平均の水準を算出すると18,645円となりますので、ピーク時の日経平均は説明可能な水準より20,000円以上も割高なところまで買われていたことになります。そのため株価も不動産価格と同様に明らかにバブルだったと言えるでしょう。

 

現在の不動産市場はどうか

では同じ視点から見た現状はどうでしょうか。先ずは不動産市場を見てみましょう。最もリスクの低い資産である国債利回りは、10年物で足元は0%近辺で推移しており、時折マイナスの水準にまで低下することもあります。その一方で不動産のキャップレートは優良物件で概ね4%台で推移しており、国債の利回りを大幅に上回っています。また、2019年度の対前年比の消費者物価指数の上昇率、つまり物価上昇率は0.5%であり、不動産の利回りはこれをも遥かに上回っている上、仮に日銀が目指している物価上昇率2%が達成されたとしても、それでも今の不動産から得られる利回りはそれよりも高いこととなり、リスクプレミアムがしっかりと乗っている極めて健全な水準にあると言えます。

 

現在の株式市場はどうか

次に株価はどうでしょう。日経平均のPERはここ10年程度、13倍~17倍の範囲内で安定的に推移してきており、直近の高値である24,000円を付けた今年2月の段階でも14.5倍という水準であったことから、極めて健全な範囲内に収まっていると言えるでしょう。ただ直近のPERはコロナ禍の影響で企業の業績見通しが大幅に下方修正されていることから21倍程度まで上昇はしてきていますが、足元で公表されている業績予想は混乱期のものであり、正直あまり参考にはならないものと筆者は考えています。

 

と言いますのは、現在の株式市場はコロナ禍を織り込む形で3月に一旦急落した後、今はワクチンなどの開発などによりコロナが終息して経済が通常の状態に戻った後の状態を織り込みながら上昇してきているため、企業の業績予想とは時間軸という観点からズレてしまっている状態にあるという点も踏まえて考える必要があるためです。そうしたことを踏まえて考えると、現在の株価水準は決してバリュエーションで説明出来ない水準にあるとは言えないこととなります。また仮に足元のPER21倍という水準を正当化したとしても、割高な水準とは言えますが、決してバブルとまでは言えない水準です。

 

足元はバブルではないが懸念はないのか

以上のことから現在の不動産市場、株式市場ともにバブルの状態ではなく健全な水準で推移していることがお分かり頂けたと思います。ただこのように言うと、もう一つの反論として、今は日銀を含めた主要国の中央銀行が過去に例を見ないほどの積極的な金融緩和を実施していることから、過剰流動性の状態にあり、過剰流動性はハイパーインフレやバブルの源となり得るので警戒すべきだという指摘があります。確かに過去の歴史を振り返ると過剰流動性はインフレやバブルを引き起こしてきました。また現在はリーマンショック後から世界的に積極的な金融緩和が実施されてきた他、アベノミックス以降の日銀によるバズーカ砲の影響により、特に日本に関しては明らかに過剰流動性の状態にあると言えます。

 

しかし上述しましたようにバリュエーション面から検証した場合、決してバブルと言える状態にはありません。なぜなのか。一つは、主要先進国の経済が成熟しきってしまったため過去のような高い経済成長が見込めなくなった中、グローバル化の影響により中国などの新興国における生産力の向上により、常に過剰生産の状態となり、インフレが起き難い状態となったことが挙げられます。もう一つは、インフレも経済の過熱も起き難くなったため、市場も将来の経済に対する過度な期待をしなくなったことが挙げられます。過度な期待があるからこそ本来の実力以上に資産価格が高騰してしまう訳ですが、今はそれがないためやはりバブルも起き難い状態となったのだと筆者は考えています。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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コロナで余暇を持て余している方、ビートルズは如何?

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年08月06日(木)

そろそろコロナやそれに関連する話題も疲れてきたという声がチラホラ聞こえてくるようになりましたので、今日は全く違う話題について記したいと思います。実は筆者は無類のビートルズファンであります。兄とは9つも年齢が離れているため、物心が付く前から兄がかけていたビートルズのレコードを聴かされて育った影響もあるのかもしれません。今日はこのビートルズについて記したいと思いますが、残念ながら40代よりも若い世代の方々についてはビートルズと言ってもピンと来ない方も多いのではないかとも思いますので、先ずはビートルズの簡単な説明をさせて頂きます。

 

ビートルズは主に1960年代に活躍したイギリス生まれのバンドで、メンバーはジョン・レノン、ポールマッカートニー、ジョージ・ハリスとリンゴ・スターの4人組です。若い世代の方でも、個々のメンバーの名前を聞けば「あ、知ってるかも」という方や曲を聴けば「あ、どこかで聴いたことあるかも」という方も結構多いのではないでしょうか。それほど未だにメディアで取り上げられることも多いですし、カフェやバーなどで彼らの曲を聴く機会も意外と多いのだと思います。

 

上記4人でバンドが結成された1962年から解散する1970年までに何と11枚ものオリジナルアルバム(全213曲)が発表されており、その間グラミー賞は8回も受賞し、24回ノミネートされています。レコードやCD、カセットの他、ストリーミングまで入れると売り上げ総数は6億枚を超えていると言われているほどのモンスター級のバンドと言っても過言ではありません。ではなぜここまで売れたのでしょうか。個人的には彼らの楽曲の多様性にあるのではないかと思います。元々はエルビス・プレスリーやチャック・ベリーといったロックンローラーに憧れてバンドを結成したこともあり、キャリア初期は主にロックンロールから始まってその後は様々なジャンルの曲を作ったため、年代や性別、国境・文化を超えてファンを拡げることが出来たからなのではないかと思います。

 

ここからは一ファンとしての個人的な意見です。彼らの曲で聴いたことがない曲はありませんし、基本的には全曲大好きです。その中でも特に気に入っているのは後期のアルバムで「アビー・ロード」や「レット・イット・ビー」の他、何と言っても「ホワイト・アルバム」でしょうか。「ホワイト・アルバム」を最初にゲットして聴いたときは言葉では言い表せないほどの衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えています。中学生だったのですが、仮病を使って学校を1週間もサボって朝から晩まで聴いていました(笑)。筆者が後期の楽曲が特に気に入っているのは、やはりその完成度の高さからなのだと思います。

 

中期頃から様々楽器を取り入れたり、多種多様なジャンルの曲にも挑戦したりと、楽曲の幅が徐々に広がっていき、それが彼ら独自のサウンドへと進化していきましたが、後期に入ってその独自のサウンドが更に研ぎ澄まされて完成度が高くなったのだと筆者は考えています。「ヘイ・ジュード」「レット・イット・ビー」「レボリューション」「カム・トゥゲザー」「サムシング」「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」など後世に残る名曲が次から次へと作り出されたのもこの時代でした。とは言えこれはあくまでも筆者の意見であり、初期の方が好きという方も多くいらっしゃるのもまた事実ですので、筆者の意見から先入観を持つことなく、初期から後期までいろいろと聴いてみることをお勧めします。コロナで休日は行くところもなく暇を持て余していらっしゃる方、特に今までビートルズを聴いたことがないという方は是非この機会を利用して聴いてみては如何でしょうか。

 

コロナ疲れも吹っ飛ぶこと請け合いです。あと、コロナ後は筆者も足が遠ざかってしまっているのですが、六本木に「アビー・ロード」というライブハウスがあるのを皆さんご存じでしょうか。そこでは「パロッツ」という極めてレベルの高いバンドがビートルズナンバーをカバー演奏しており、老若男女、様々なビートルズファンが毎晩大勢集まってものすごく盛り上がる最高のお店です。コロナが落着いたらこちらも是非行ってみて下さい。ご興味ある方はこちらをご参照ください。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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Go to トラベルで見えた政府の浮足立った政策運営

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年07月29日(水)

Go to トラベルで見えた浮足立った政策運営

政府のコロナ対策は完全に浮足立っていると言わざるを得ません。Go toトラベルで一体何がしたかったのでしょうか。7月の4連休に合わせる形で722日に前倒しで開始したかと思うと東京のコロナ感染拡大を受けて東京発着の旅行は対象外とされてしまいました。しかし東京発着の旅行を対象外とすることでその経済効果は4割も減少してしまうとも言われています。

 

このGo toトラベル、元々はコロナの影響で甚大な損害を受けている観光業者の救済的な処置という趣旨で立案された、所謂経済を回す対策の一環として導入された筈の政策だったのに、その効果が半減してしまう東京発着を対象外とするという愚策を付加えた上での開始となってしまったのです。また、此度の感染拡大を受けて西村経済再生担当相は企業に対して従業員の7割を在宅勤務とするよう要請しました。しかしその一方で緊急事態宣言は発動しないという矛盾に満ちた内容の対策を次から次へと打出してきています。

 

見えない政策目標

要するに感染を食い止めたいのか、経済を回したいのかという根本的な政策目標が定まっていないことがその原因と筆者は考えています。基本的には緊急事態宣言を発動しない点から見ると、どうやら経済を回したいのだろうと思いますが、実際にやっているとこはアクセルを踏みながらブレーキをかけるという全く矛盾したことばかりとなっている印象は否めません。その背景は、多分コロナ感染拡大の数字だけを追いかけてその中身の分析が出来ていないからなのではないかと思われます。今現在の感染拡大ペースは4月時点での拡大期と比べると、感染者数とその増加ペースはともに4月のそれを完全に上回っています。

 

4月の感染拡大期と質の面で全く異なる

こうした観点から見ると、確かに足元ではコロナ感染拡大の第二波に突入してきていると言えるでしょう。しかし足元の感染拡大は4月の拡大期とは質的な面で全く異なっていることに注目するべきだと筆者は考えています。4月の拡大期には連日10人から30人程度の死者数が出ていましたが、足元は一日に0人~2人程度の範囲に収まっています。感染から死に至るケースではその間の期間に2週間程度のタイムラグがあるため、4月時点で最も死者数が多かった424日から514日までの死者数をその2週間前の感染者数で割った死亡率の同期間の平均死亡率は5.5%でした。

 

対して、6月下旬から始まった感染拡大期で同じように76日からの死者数でこの期間の平均死亡率を見てみると0.7%に過ぎないことが分かります。つまり足元では感染そのものは4月時点よりも拡大しているにも拘らず、死者数は極めて低位で推移していることになります。その要因は4月時点に比して重篤化しそうな人がどのような人なのか、つまりは基礎疾患を持っている人と高齢者は特に気を付けるべきという事実が浸透したことと、重篤化したときにどのような対処療法をすればよいのかというノウハウの蓄積が進んだことに加えて、重篤患者の受入れ先も増加したためと思われます。

 

客観的なデータ分析に基づく政策必要

感染者が増加しても死者さえ抑え込めるのであれば、ある意味で感染の拡大は怖くないということになります。勿論、重篤化しそうな人とその人達と密接な関係にある人たちには引き続き最大限の注意を払って頂くということが大前提という話ではありますが、それ以外の人たちについては経済を回すことを優先する行動をとってもらう方が結果的に死者数を抑えることになるのです。

 

と言いますのは、参議院の事務局調査情報担当室の統計で失業率が1%上がると自殺者数が4236人増加するというものがあります。緊急事態宣言下のような経済のロックダウンが今後も感染拡大に伴って度々発動されてしまうと失業率は当然のことながら上昇してしまいます。事実、2.4%だった2月の失業率は5月には2.9%まで0.5%も上昇しています。そしてこのまま経済活動の低迷が続けば年末までには失業率が5%まで跳ね上がるとの観測もあります。コロナに伴う死者数は今のところ累計で1000人強となっており、そのペースは前述の通り4月時点に比して大幅な減少傾向にあります。一方で失業率が5%まで上昇してしまったら自殺者数が10000人を超える可能性があるという事実にも同時に目を向けなければならないのです。

 

一喜一憂せず政策貫く姿勢が大事

政府はこうした客観的なデータ分析に基づいて政策判断をした上で、その背景をきちっと国民に伝えて理解してもらう努力をしないと、国民はどのような行動をとってよいのかも分からず、いたずらにパニックを誘って経済をオーバーキルしてしまう結果ともなりかねません。目先の感染者数という一面的な情報に一喜一憂せず、客観的なデータ分析に基づく政策判断とそれを貫く姿勢で国民を導いて欲しいものです。また敢えて言わせて頂くと、この際、消費税率をコロナ終息までの間でもよいので、一時的に5%に引き下げて、他の景気刺激策と歩調を合わせる形とすることも検討してもよいのではないでしょうか。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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欧州復興基金は大欧州連邦国家樹立の布石となれるか

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年07月22日(水)

遂に欧州復興基金設立が合意されました

昨日、欧州連合首脳会議において欧州復興基金の設立が合意に至りました。この基金は元々「救済基金」として、コロナの影響により特に甚大な打撃を受けていたイタリアやスペインといった南欧諸国の経済を救済する目的で今年の4月から設立が議論され始めたものです。しかし、その後ECB(欧州中央銀行)が金融緩和策として新たに大規模な国債買入れ(PEPP)を4月から本格化した上、既存の買入れと併せて南欧諸国などの国債を集中的に買入れ始めました。加えて、ユーロ圏の財務相会合にて欧州安定機構(ESM)による新たな資金供与に関する議論も進展し、追加負担の軽減と使途の柔軟性に配慮した新たなファシリティ(PCF)が5月中旬から利用可能となったことなども寄与し、南欧諸国の金融市場も安定してきたため、その名称が「救済基金」から「復興基金」に切替えられたものです。

 

南北欧州の確執

しかしこの基金設立に関しては、当初ドイツやオランダといった財政的に優等生である北部欧州勢からは、財政の一体化がなし崩し的に進められてしまうのではないかと危惧する声も多く、なかなか議論が進展しなかった経緯があります。欧州通貨危機の時もそうでしたが、北部欧州諸国は自国民の血税が財政規律の緩い南欧諸国の財政立て直しなどに使われることは断固拒否する立場を貫いてきたという背景もあり、この度の「復興基金」設立についても筆者は懐疑的に見ていました。しかし当初案では総額7500億ユーロの内、5000億ユーロは返済不要としていたものが、返済不要枠が3900億ユーロに縮小されたとは言え、実現しことは快挙だと思います。

 

ユーロ導入時の大きな課題

ユーロが導入された2002年は筆者もオランダに住んでいたため、当時ユーロの全面導入について様々な議論がなされていたことをよく覚えています。当時筆者は、勤めていた住友生命保険とオランダのABN AMRO銀行との現地合弁会社に出向していたこともあり、欧州の多くの金融関係者や識者などの意見を拝聴する機会が多かったのですが、彼らの多くは「この通貨統合は失敗する」と考えていたことがとても印象に残っています。その理由としては、通貨のみを統合したところで財政の一体化が成されなければ、豊かな国と貧しい国との間で貿易不均衡が生じるためというものでした。

 

そしてその貿易不均衡が最終的には富める国が貧しい国の富を吸い上げてしまう結果となり、貧しい国は破綻するというものでした。通常、独自の通貨を有する国同士の貿易不均衡であれば、貿易赤字となった国の通貨は弱含むこととなり、その結果として輸出競争力が高まり、不均衡は解消されるのですが、統一通貨の場合はこの調整機能が働かなくなる訳ですから格差は開く一方ということになります。実際ユーロ導入で最も得をしたのはドイツと言われています。バスケット通貨であるユーロの価値は貧しい国と富める国の平均的な通貨価値となるため、平均的価値よりも遥かに高い輸出競争力を持つドイツにとっては安い価格で高付加価値な商品の輸出が出来るのですから、ドイツ製品はまさに鬼に金棒となった訳です。そしてその陰でギリシャなどの相対的に貧しい国は、その付けを払わされることとなります。

 

日本などの場合は、東京が経済面において一強ではありますが、地方交付金という制度の下で、その富は他の自治体にも再配分されるため、全く問題がない訳ではないものの、一応不均衡を解消する仕組みがある訳ですから、円と言う共通の通貨が存在していても、日本の財政は一体化されているため、経済力の差は交付金で調整出来る訳です。しかし、共通の通貨を持ちながら財政の一体化が成されていないユーロ圏においては、こうした調整がなされないため、南北格差は益々開いていくこととなり、どこかの時点で持続不能となることは避けられないでしょう。ユーロの全面導入の際はこうしたことが危惧されていましたが、今まさにその通りの結果となりつつあるのが現状です。

 

大欧州連邦国家誕生の試金石

ただ、こうした状況下でコロナ禍が発生し、その結果として「欧州復興基金」が設立されたということは、ある意味で将来の大欧州連邦国家誕生に向けた本格的な統一への布石ともなり得るため、この「欧州復興基金」設立は欧州にとって大きな飛躍の助走となるのかもしれません。コロナで大きなダメージを受けている欧州ですが、災い転じて福となせるのか、今後の動向が楽しみです。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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今こそ日本の国防を真剣に考えるとき

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年07月15日(水)

ミサイル防衛システムは基本的に機能しない

我が国のミサイル防衛に対する考え方が大きな転換点を迎えています。先日、河野防衛大臣がイージスアショアの配備を停止したと突然表明しました。その理由として挙げられたのが、迎撃ミサイル発射後に切り離されたブースターの落下地点をコントロールすることが出来ないため、その結果として周辺の民家に被害が出る可能性があるためというものです。確かにこの点は導入を検討していた段階で盲点であったことは事実であり、配備を取りやめる決断をした根拠の一つであることは間違いないものと思われます。しかしそもそも論でこのイージスアショアに限らず、ミサイル迎撃システムそのものの効果については従前から疑問視する声は少なくありませんでした。

 

例えば、北朝鮮から飛来してくる単発の弾道ミサイルを迎撃するという意味ではイージス艦による上層での迎撃とパトリオットミサイルによる下層での迎撃である程度は対処できるものの、数千発もの弾道ミサイルや巡航ミサイルを保有する中国などから数十発のミサイルが一斉に発射された場合、その内の2~3発は迎撃出来ても、残りは全弾着弾することとなるため、防衛網としては殆どザルのようなものであるという指摘は以前から存在していました。これに2基のイージスアショアを加えた三段階の迎撃システムとしても焼け石に水程度の効果しか得られないと言われています。

 

敵基地攻撃は言うほど簡単じゃない

こうした背景もあって、最近議論され始めたのが敵基地攻撃能力の保有です。飛来する多数のミサイルを迎撃できないのなら、ミサイルが発射される前に発射基地を攻撃して発射されることそのものを防ごうとするものです。但し、これは「専守防衛」の範囲を逸脱するのではないかとの議論もあり、その導入はそう簡単ではないでしょう。加えてこの敵基地攻撃の効果についても、筆者は懐疑的に見ています。敵基地攻撃をするからには、当然のことながら事前に多くの情報収集が必要となります。

 

敵基地の正確な位置情報や通常は地下に隠されている移動式のミサイル発射台などがどのようなルートで移動するのかといった情報を入手するには、現地に多数の諜報部員を常駐させておく必要があります。このような諜報活動は米国のCIAにとっても困難なタスクであるとも言われており、まともな情報機関も有しない日本にとって、こうした情報を入手することは不可能と言ってもよいでしょう。

 

また、一度ミサイルが発射されれば、その基地の位置情報が掴めるため2度目の攻撃の際は敵基地攻撃で防げるという人もいますが、数百か所もの発射基地が存在するのに前回使用した基地から再度攻撃してくるとは到底思えません。こうしたことから、どのようなミサイル迎撃システムを持とうが敵基地攻撃能力を保有しようが、複数の弾道ミサイルによる断続的な飽和攻撃に対しては無力であるということが現実なのです。

 

外交と抑止力が最強の防衛策

ではどうすれば良いのか。言うまでもないことですが、そもそも攻撃を受けないようにすることが最大の防御ということになります。つまりは外交により、こうしたミサイル攻撃を仕掛けてくる可能性のある周辺諸国との摩擦を避けることに尽きます。とは言えここ数年、我々を取り囲む周辺諸国の積極的な軍事力の増強やその国々の振る舞いなどには脅威を覚えることが増えてきたのもまた事実です。

 

例えば北朝鮮の恫喝外交は言うに及ばず、中国も南シナ海や東シナ海での軍事的な派遣拡大を虎視眈々と狙っていますし、今回の香港国家安全法案などの中身を見ても、その対象は香港や中国本土に在住する自国民に限ることなく、何と国外にいる外国人をもその対象とするなど、もはやヒトラーをも彷彿とさせる暴挙と言っても過言ではない振る舞いをするようになってきています。このように暴走する相手に対して外交が通用しないケースもあり得るでしょし、また我々が意図しないまでも、例えば米中戦争が起きれば、当然のことながら何らかの形で日本も巻き込まれることもあり得るでしょう。

 

こうした状況を踏まえて考えた場合、外交での対応を基本としつつも、もし我々が攻撃を受けた際には相手国に対して大きな打撃となり得る報復攻撃をすることを予め宣言しておくという方法もあります。専守防衛の観点から、自ら敵基地攻撃を含む先制攻撃をすることはしないものの、他国から日本国内への攻撃を受けた際には、その相手国の軍事施設のみならず、首都を含めた都市や経済的価値の高い施設に対して、日本が受けたダメージと同程度の報復攻撃が出来る能力を保有することが、やはり最大の抑止力となるのではないかと筆者は考えています。

 

核を保有する必要はない

誤解を招かないように申し上げますが、それは何も核弾頭ミサイルを保有する必要はありません。通常の弾道ミサイルや巡航ミサイルを数百発保有するだけで、相手国にとっては十分な脅威になります。そして実はこうした攻撃用ミサイルは、一発40~50億円もする迎撃ミサイルより遥かに安価で手に入ります。つまりは防衛予算を最小限に抑えながら最大の効果が得られる方法でもあるのです。重ねて言いますが、「先ずは外交」が大原則です。

 

しかしあらゆる手段を用いて外交努力に全力で取り組んだにも拘らず、それでも理不尽なミサイル攻撃を受けた場合は、「同規模の損害を与え得るミサイル攻撃をするぞ」と予め宣言しておくことで、相手が無謀な攻撃を仕掛けてくることを自制させる効果が得られるだけではなく、外交そのものの効果を高めることにもなるのです。今は日米同盟がその抑止力としての効果を発揮してはいますが、米国が世界の警察官という立場を放棄してから、その威厳は大きく後退しており、それと並行する形で抑止力としてのプレゼンスもまた後退してきています。日本が攻撃されたら本当に米国がその身を挺して守ってくれるでしょうか。

 

日米同盟を堅持しつつ自分の身は自分で守る姿勢大事

今の米国の指導者達の言動から考えた場合、その可能性は極めてゼロに近いと言っても過言ではないでしょう。また、米中開戦となった場合は今の日米同盟の枠組みからすれば、日本は米国の防波堤という形で中国と戦うこととなるでしょう。つまり、日本の国土が米中戦争の最前線と化すことになるのです。日本が攻撃を受けた際は守ってくれず、米中戦争となった場合はそれに巻き込まれて最前線と化す訳です。

 

こうしたことも踏まえて考えると、日本はあまり日米同盟を頼ることなく独自外交を展開しながら、自分の身は自分で守るという強い意志を持たなければ侵略者達の格好の標的となりかねません。最後に、筆者は日米同盟が不要とは思いません。しかし米国のプレゼンスの低下から世界秩序は大きな転換点を迎えつつあります。こうした事実を補完する観点からも日本独自の外交・防衛を構築することで、我が国のプレゼンスそのものを高めることが出来ると同時に、プレゼンスを高めることにより紛争の仲裁役としての立場も高めることが出来ます。兎に角、最大の防衛策は外交と抑止力で無用な紛争を回避することです。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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