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今の不動産や株式市場はバブルなのか - サインポスト投資コンサルティング合同会社

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今の不動産や株式市場はバブルなのか

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年08月12日(水)

 

結論から言えばバブルではない

現在の不動産や株式市場についてバブル状態にあるのか否かという議論をよく見かけますし、筆者もこの件で意見を求められる機会も多くありますので、今回はこの件について筆者の考えを記したいと思います。結論から申し上げると、どちらもバブルではないというのが筆者の答えです。先ずはバブルの定義から確認したいと思います。バブルとは主に投機などにより資産価格が経済成長以上のペースで高騰し、実体経済から大幅にかけ離れてバリュエーション(経済的な価値評価)では説明出来ない水準にまで達した状態を言います。

 

バブル期の不動産市場はどのような状態だったか

日本は1980年代後半から1990年代初頭にかけてこの状態にありました。不動産価格は年率で20%から50%という驚異的なペースで上昇して、ピーク時の1990年後半には、最もリスクの低いとされる国債の利回りが、10年物で当時は6%~7%程度で推移していた中、不動産の利回りであるキャップレート(年間賃料÷不動産価格)は2%~3%まで低下(不動産価格は上昇)し、物件によっては1%台というものまで出現していた状況でした。つまり、本来であれば最も信用度、流動性が高い資産(リスクの最も低い資産)である国債の投資利回りが最も低い筈なのに、当時はその国債よりも不動産の利回りの方が大幅に低かったことになりますので、バリュエーションという観点から見れば当時の不動産市場は明らかに説明の出来ない領域にあった、つまりはバブルであったと言えます。

 

バブル期の株式市場はどうだったか

株価に関しては、198912月末に日経平均が歴史上のピークである38,915円まで上昇しましたが、この時の株価を年間の1株当たり当期純利益で割って算出されるPER(株価収益率)は61.7倍でした。当時は高度経済成長後であったこととジャパン・アズ・ナンバー・ワンと言われるほど日本経済に対しての期待値が最も高かった時代でもあったため、PERがある程度高めに推移することは当然あり得たとは言え、それでも説明可能な範囲はせいぜい30倍~40倍まででしょう。仮に当時の1株当たり純利益で35倍のPERとなる日経平均の水準を算出すると18,645円となりますので、ピーク時の日経平均は説明可能な水準より20,000円以上も割高なところまで買われていたことになります。そのため株価も不動産価格と同様に明らかにバブルだったと言えるでしょう。

 

現在の不動産市場はどうか

では同じ視点から見た現状はどうでしょうか。先ずは不動産市場を見てみましょう。最もリスクの低い資産である国債利回りは、10年物で足元は0%近辺で推移しており、時折マイナスの水準にまで低下することもあります。その一方で不動産のキャップレートは優良物件で概ね4%台で推移しており、国債の利回りを大幅に上回っています。また、2019年度の対前年比の消費者物価指数の上昇率、つまり物価上昇率は0.5%であり、不動産の利回りはこれをも遥かに上回っている上、仮に日銀が目指している物価上昇率2%が達成されたとしても、それでも今の不動産から得られる利回りはそれよりも高いこととなり、リスクプレミアムがしっかりと乗っている極めて健全な水準にあると言えます。

 

現在の株式市場はどうか

次に株価はどうでしょう。日経平均のPERはここ10年程度、13倍~17倍の範囲内で安定的に推移してきており、直近の高値である24,000円を付けた今年2月の段階でも14.5倍という水準であったことから、極めて健全な範囲内に収まっていると言えるでしょう。ただ直近のPERはコロナ禍の影響で企業の業績見通しが大幅に下方修正されていることから21倍程度まで上昇はしてきていますが、足元で公表されている業績予想は混乱期のものであり、正直あまり参考にはならないものと筆者は考えています。

 

と言いますのは、現在の株式市場はコロナ禍を織り込む形で3月に一旦急落した後、今はワクチンなどの開発などによりコロナが終息して経済が通常の状態に戻った後の状態を織り込みながら上昇してきているため、企業の業績予想とは時間軸という観点からズレてしまっている状態にあるという点も踏まえて考える必要があるためです。そうしたことを踏まえて考えると、現在の株価水準は決してバリュエーションで説明出来ない水準にあるとは言えないこととなります。また仮に足元のPER21倍という水準を正当化したとしても、割高な水準とは言えますが、決してバブルとまでは言えない水準です。

 

足元はバブルではないが懸念はないのか

以上のことから現在の不動産市場、株式市場ともにバブルの状態ではなく健全な水準で推移していることがお分かり頂けたと思います。ただこのように言うと、もう一つの反論として、今は日銀を含めた主要国の中央銀行が過去に例を見ないほどの積極的な金融緩和を実施していることから、過剰流動性の状態にあり、過剰流動性はハイパーインフレやバブルの源となり得るので警戒すべきだという指摘があります。確かに過去の歴史を振り返ると過剰流動性はインフレやバブルを引き起こしてきました。また現在はリーマンショック後から世界的に積極的な金融緩和が実施されてきた他、アベノミックス以降の日銀によるバズーカ砲の影響により、特に日本に関しては明らかに過剰流動性の状態にあると言えます。

 

しかし上述しましたようにバリュエーション面から検証した場合、決してバブルと言える状態にはありません。なぜなのか。一つは、主要先進国の経済が成熟しきってしまったため過去のような高い経済成長が見込めなくなった中、グローバル化の影響により中国などの新興国における生産力の向上により、常に過剰生産の状態となり、インフレが起き難い状態となったことが挙げられます。もう一つは、インフレも経済の過熱も起き難くなったため、市場も将来の経済に対する過度な期待をしなくなったことが挙げられます。過度な期待があるからこそ本来の実力以上に資産価格が高騰してしまう訳ですが、今はそれがないためやはりバブルも起き難い状態となったのだと筆者は考えています。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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