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安倍首相辞任に思うこと - サインポスト投資コンサルティング合同会社

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安倍首相辞任に思うこと

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年09月02日(水)

828日に安倍首相が突然辞任を表明されました際はとても大きな衝撃を受けましたと同時に、更なるご活躍を期待していたこともあり極めて残念な気持ちにもなりました。78カ月という超長期政権が故に官僚の忖度や他者の意見に耳を傾けないと言った副作用なども産みこそはしましたが、特に経済面や外交面で大きな成果を残した功績は称えられるべきと筆者は考えています。第二次安倍政権発足前はバブルの崩壊、リーマンショックの他3.11などを経て日本経済は長期の停滞期にあり、底なしのデフレに喘ぎ日経平均は史上最安値を更新するなど泥沼状態にあったと言っても過言ではないでしょう。

 

その他、政治面においては1年毎に首相が変わるような極めて不安定な状態が続いていたため、何ら有効な政策も打出されず海外からの信頼も失墜し、日本の世界におけるプレゼンスは地に落ちていました。こうした環境下で第二次安倍政権が発足し、当時はタブー視されていたリフレ策であるアベノミクスが打出されました。その結果、長いデフレ期に伴う円高に歯止めをかけた(理解していない方もいますがデフレ=物価下落=通貨価値上昇=円高)ことを契機に、企業業績は大幅に改善し、株価も上昇に転じた他、雇用環境も大きく改善するなど経済がようやく回り始めるようになりました。このように言うと「雇用環境は改善したが実質賃金は下がった」や「株価上昇は単なるバブルの創生」といった反論を受けると思いますが、これらの点には以下の理由から同意しかねます。

 

先ずは実質賃金(賃金上昇率-物価上昇率)についてですが、物価の上昇に賃金上昇が追い付かなかったことは事実ではあります。この点については社会保険料の上昇や消費税増税の影響もありましたが、それよりも何よりも筆者はこの間、企業業績が大幅に改善していたにも拘らず賃上げを抑えて内部留保を大きく積み上げてきた企業側の責任が全く追及されないのは正直おかしいと考えています。アベノミクスにより企業業績が改善される環境が作り出されたことは事実であり、それに伴って企業業績が大幅に改善したことも事実です。しかし、多くの企業は業績の改善に見合っただけの賃上げをせず、その大部分を内部留保という形で企業内に溜めこんでしまったことが実質賃金を低下させてしまった元凶であると筆者は考えています。

 

次に「株価上昇は単なるバブルの創生」という反論についてですが、詳しくは筆者の以前の記事「今の不動産や株式市場はバブルなのか?」を参照して頂きたいと思いますが、基本的には前述のとおり、アベノミクスにより企業業績が大幅に改善した結果として株価が上昇したということであり、決してバブルではありません。勿論、過剰流動性的な側面もあることはありますが、PERなどもこの間、13倍~17倍程度の極めて安定した水準に保たれていたことからも見られますとおり、この間の株価上昇は企業業績の改善に裏打ちされたものであり、決してバリュー面を無視した上昇ではなかったと言えるでしょう。

 

その他にも格差拡大問題など反論はあるとは思いますが、これについては資本主義経済の構造上の問題でもあり、どのような政策を打出したところで回避不能な面もあります(詳しくはこちらの記事)ので、この点はベーシックインカムの導入など社会構造の抜本的な変更を伴う議論でもあり、日本のみならず将来の課題としてこれから真剣に取り組まなければならない社会問題だと筆者は考えています。故にアベノミクスとは切り離して議論するのが妥当でしょう。いずれにしても安倍首相就任後の景気回復は様々な景気指標が示すとおり明らかに進展したことは間違いないと思われます。

 

また外交面においては、離脱した米国の後を引き継いで、主導的な立場でTPP11を成し遂げた他、FTAも積極的に推し進めたことで世界の自由貿易の進展に大きく貢献もしました。辞任表明後には各国首脳から好意的なコメントや安倍首相の功績を労うコメントも多く寄せられたことからも、在任中の外交が大きな成果を成し遂げていたことを物語る証左でもあると言えるでしょう。北朝鮮の拉致問題や北方領土問題の解決には漕ぎつけなかったものの、これは多分ご本人が一番悔やんでいることと思いますが、相手が相手なだけに誰がやっても至難の業だったのだと思いますし、元々時間のかかる問題でもあります。それでも少なくともロシアのプーチン大統領とは良好な関係が築けたことから、今後に繋がる功績は遺せたのではないでしょうか。

 

以上のように問題もありましたが、多くの成果を残した安倍首相ではありますが、28日の辞任表明を報道する多くのメディアは「また投げ出し」という文言を添えて批判的な報道をしていたのを見て、正直これらメディアには「また」失望させられました。前述した経済面や外交面での功績に加えて、在任中に国政選挙6連勝という国民の圧倒的な支持を得た上で78カ月という長期間に亘って国政にご尽力され、病という不可抗力な理由によりやむなく退陣される安倍首相に対して「お疲れさまでした」「お大事に」という労いの一言もなかった点は、日本のメディアがどれだけ低俗であるかを再度確認させられました。

 

日本のメディアは一面的な部分にのみ焦点を当て、一面的なキャスターの薄っぺらな私見を添えて報道する悪い癖があります。メディアは中立的な立場で報道するのが基本中の基本です。そしてどうしても私見を挟みたいのであれば、その問題を様々な視点から深堀した結果を報道した上で私見を述べるべきだと思います。それはそれとして、無念の退陣をされた安倍首相には本当にお疲れ様でしたと申し上げたいですし、今後は是非とも治療に専念されて、一日も早い回復をお祈りしています。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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