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お知らせ - サインポスト投資コンサルティング合同会社

お知らせ

今こそ日本の国防を真剣に考えるとき

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年07月15日(水)

ミサイル防衛システムは基本的に機能しない

我が国のミサイル防衛に対する考え方が大きな転換点を迎えています。先日、河野防衛大臣がイージスアショアの配備を停止したと突然表明しました。その理由として挙げられたのが、迎撃ミサイル発射後に切り離されたブースターの落下地点をコントロールすることが出来ないため、その結果として周辺の民家に被害が出る可能性があるためというものです。確かにこの点は導入を検討していた段階で盲点であったことは事実であり、配備を取りやめる決断をした根拠の一つであることは間違いないものと思われます。しかしそもそも論でこのイージスアショアに限らず、ミサイル迎撃システムそのものの効果については従前から疑問視する声は少なくありませんでした。

 

例えば、北朝鮮から飛来してくる単発の弾道ミサイルを迎撃するという意味ではイージス艦による上層での迎撃とパトリオットミサイルによる下層での迎撃である程度は対処できるものの、数千発もの弾道ミサイルや巡航ミサイルを保有する中国などから数十発のミサイルが一斉に発射された場合、その内の2~3発は迎撃出来ても、残りは全弾着弾することとなるため、防衛網としては殆どザルのようなものであるという指摘は以前から存在していました。これに2基のイージスアショアを加えた三段階の迎撃システムとしても焼け石に水程度の効果しか得られないと言われています。

 

敵基地攻撃は言うほど簡単じゃない

こうした背景もあって、最近議論され始めたのが敵基地攻撃能力の保有です。飛来する多数のミサイルを迎撃できないのなら、ミサイルが発射される前に発射基地を攻撃して発射されることそのものを防ごうとするものです。但し、これは「専守防衛」の範囲を逸脱するのではないかとの議論もあり、その導入はそう簡単ではないでしょう。加えてこの敵基地攻撃の効果についても、筆者は懐疑的に見ています。敵基地攻撃をするからには、当然のことながら事前に多くの情報収集が必要となります。

 

敵基地の正確な位置情報や通常は地下に隠されている移動式のミサイル発射台などがどのようなルートで移動するのかといった情報を入手するには、現地に多数の諜報部員を常駐させておく必要があります。このような諜報活動は米国のCIAにとっても困難なタスクであるとも言われており、まともな情報機関も有しない日本にとって、こうした情報を入手することは不可能と言ってもよいでしょう。

 

また、一度ミサイルが発射されれば、その基地の位置情報が掴めるため2度目の攻撃の際は敵基地攻撃で防げるという人もいますが、数百か所もの発射基地が存在するのに前回使用した基地から再度攻撃してくるとは到底思えません。こうしたことから、どのようなミサイル迎撃システムを持とうが敵基地攻撃能力を保有しようが、複数の弾道ミサイルによる断続的な飽和攻撃に対しては無力であるということが現実なのです。

 

外交と抑止力が最強の防衛策

ではどうすれば良いのか。言うまでもないことですが、そもそも攻撃を受けないようにすることが最大の防御ということになります。つまりは外交により、こうしたミサイル攻撃を仕掛けてくる可能性のある周辺諸国との摩擦を避けることに尽きます。とは言えここ数年、我々を取り囲む周辺諸国の積極的な軍事力の増強やその国々の振る舞いなどには脅威を覚えることが増えてきたのもまた事実です。

 

例えば北朝鮮の恫喝外交は言うに及ばず、中国も南シナ海や東シナ海での軍事的な派遣拡大を虎視眈々と狙っていますし、今回の香港国家安全法案などの中身を見ても、その対象は香港や中国本土に在住する自国民に限ることなく、何と国外にいる外国人をもその対象とするなど、もはやヒトラーをも彷彿とさせる暴挙と言っても過言ではない振る舞いをするようになってきています。このように暴走する相手に対して外交が通用しないケースもあり得るでしょし、また我々が意図しないまでも、例えば米中戦争が起きれば、当然のことながら何らかの形で日本も巻き込まれることもあり得るでしょう。

 

こうした状況を踏まえて考えた場合、外交での対応を基本としつつも、もし我々が攻撃を受けた際には相手国に対して大きな打撃となり得る報復攻撃をすることを予め宣言しておくという方法もあります。専守防衛の観点から、自ら敵基地攻撃を含む先制攻撃をすることはしないものの、他国から日本国内への攻撃を受けた際には、その相手国の軍事施設のみならず、首都を含めた都市や経済的価値の高い施設に対して、日本が受けたダメージと同程度の報復攻撃が出来る能力を保有することが、やはり最大の抑止力となるのではないかと筆者は考えています。

 

核を保有する必要はない

誤解を招かないように申し上げますが、それは何も核弾頭ミサイルを保有する必要はありません。通常の弾道ミサイルや巡航ミサイルを数百発保有するだけで、相手国にとっては十分な脅威になります。そして実はこうした攻撃用ミサイルは、一発40~50億円もする迎撃ミサイルより遥かに安価で手に入ります。つまりは防衛予算を最小限に抑えながら最大の効果が得られる方法でもあるのです。重ねて言いますが、「先ずは外交」が大原則です。

 

しかしあらゆる手段を用いて外交努力に全力で取り組んだにも拘らず、それでも理不尽なミサイル攻撃を受けた場合は、「同規模の損害を与え得るミサイル攻撃をするぞ」と予め宣言しておくことで、相手が無謀な攻撃を仕掛けてくることを自制させる効果が得られるだけではなく、外交そのものの効果を高めることにもなるのです。今は日米同盟がその抑止力としての効果を発揮してはいますが、米国が世界の警察官という立場を放棄してから、その威厳は大きく後退しており、それと並行する形で抑止力としてのプレゼンスもまた後退してきています。日本が攻撃されたら本当に米国がその身を挺して守ってくれるでしょうか。

 

日米同盟を堅持しつつ自分の身は自分で守る姿勢大事

今の米国の指導者達の言動から考えた場合、その可能性は極めてゼロに近いと言っても過言ではないでしょう。また、米中開戦となった場合は今の日米同盟の枠組みからすれば、日本は米国の防波堤という形で中国と戦うこととなるでしょう。つまり、日本の国土が米中戦争の最前線と化すことになるのです。日本が攻撃を受けた際は守ってくれず、米中戦争となった場合はそれに巻き込まれて最前線と化す訳です。

 

こうしたことも踏まえて考えると、日本はあまり日米同盟を頼ることなく独自外交を展開しながら、自分の身は自分で守るという強い意志を持たなければ侵略者達の格好の標的となりかねません。最後に、筆者は日米同盟が不要とは思いません。しかし米国のプレゼンスの低下から世界秩序は大きな転換点を迎えつつあります。こうした事実を補完する観点からも日本独自の外交・防衛を構築することで、我が国のプレゼンスそのものを高めることが出来ると同時に、プレゼンスを高めることにより紛争の仲裁役としての立場も高めることが出来ます。兎に角、最大の防衛策は外交と抑止力で無用な紛争を回避することです。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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九州豪雨による甚大な水害を受けて思うこと

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年07月08日(水)

この度の九州豪雨にて被災された方々にお見舞い申し上げますととともに、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。水害はここ数年、毎年のように発生しています。そしてその被害は年々甚大なものとなっている気がしてなりません。よく「想定外の雨量により河川が決壊」というような表現でこうした水害の報道がなされることが増えましたが、やはり温暖化の進展により昔では考えられなかった規模や頻度でこうした豪雨や台風が発生しているということの証左なのでしょう。

 

最近でこそESGやSDGsなど地球環境に配慮した具体的な取り組みが始動してきてはいるものの、何十年も前から温暖化が叫ばれていた割にはそのペースは極めて鈍く、浸透度合いも未だに十分ではないと言わざるを得ず、温暖化の進展を食い止める、若しくは後退させるまでには相当な時間を要することは覚悟せざるを得ないものと思われます。そうなるとこうした水害は今後とも発生し続ける中で、我々は暮らしていかなくてはならないということになります。

 

つまりは防災の他、被災者支援、復興支援などに更に力を入れていかないといけないこととなります。しかし防災はともかく、被災者支援や復興支援というものは根本的な問題の解決策ではなく、ある意味で場当たり的な対応と言わざるを得ず、今後とも毎年のように災害が発生する度に継続的に実施していくことを考えると、どこかの段階で金銭面から限界が出てきてしまうと筆者は危惧しています。こうした観点からも、今後とも自然災害が発生するという前提で、自然災害が発生しても被災者を出さないという取り組み、つまりは防災にもっと力を入れるべきであろうと考えています。

 

しかし、防災と言ってもやはり莫大な予算が必要となることは言うまでもありません。そこで大事なキーワードとなってくるのが「費用対効果」なのではないでしょうか。人口の多い大きな自治体の防災であれば河川の整備やダムの建設と言った大掛かりな防災を施してもコストに見合った結果が得られますので問題はありませんが、例えば村などの小さな自治体については、少人数のために大規模な税金を投入しての防災ということとなるとやはり費用対効果を意識せざるを得ないと思われます。先日、元大阪府知事の橋下徹氏がテレビに出演された際に、知事をされていた時のお話しとして挙げていた一つの例を紹介させて頂きます。

 

三つの山に囲まれた十数世帯の小さな集落が、土砂崩れなどの被害に遭われる可能性があるため、防災としてその集落を取り囲んでいる三つの山の全てに防災工事を施さなければならないということになったとのことですが、その費用は膨大なものとなってしまうため、費用面で安価な自治体の費用を用いて集落の方々にどこか別の安全な場所に移り住んでもらうという案を橋下元大阪府知事が提案されたとのことでした。しかしこの案は残念ながら憲法第29条「財産権」が障壁となり、実現出来なかったというものでした。先祖代々守ってきた大事な土地を離れなければならないのは大変辛いことである点は誰もが理解するところではありますが、その一方で公共の資金である税金が投入される以上は、やはり最小限の費用で最大限の効果が得られる方策が選択されなければならないという点もまた無視出来ない大事な視点なのではないでしょうか。

 

これは何も防災だけ限った問題ではなく、例えば過疎地の生活インフラ維持問題ということにも同様な視点が必要と筆者は考えています。特に人口が今後減少傾向にある日本においては、税収もまた減少していく中で、過疎地を維持していくよりは税金を用いて過疎地に住んでいる方々に最寄りの都市部に移り住んでもらうことで、長い目で見れば資金面においても、こうした方々への様々な生活インフラの提供という面でも効率的なのではないかと筆者は考えています。

 

話を防災に戻しますが、何よりも大事なのは人々の命と暮らしです。しかしその一方で限りある税金や資源を如何にして効率よく使うことで、人々の命と暮らしを守っていけるのかという視点も忘れてはならない大事な論点なのではないかとも考えています。勿論こうした議論やこうした論点を反映するための法改正には時間がかかりますし、この間も災害は待ってはくれません。そのため足元で発生している災害による被災者に対しては引き続き生活を取り戻すための公的な復興支援の継続は必要ではありますが、使える税金にも限りがあることを踏まえると、持続可能性という観点からも一刻も早く前述のような議論を踏まえた取り組みがなされることを心より願うばかりです。

 

最後になりましたが、この度の豪雨で被災された方々を応援する取り組みとして「さとふる」が「令和2年熊本・鹿児島大雨災害緊急支援寄付サイト」を開設したとのことですのでご紹介させて頂きます(詳しくはhttps://news.yahoo.co.jp/articles/582aba9f7052c7133b82deef2a108f369bef55b6をご参照下さい)。筆者も微力ながら応援させて頂くつもりですが、皆様も是非ご参加いただければと思います。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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香港国家安全法は東京都にとっては好機到来

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年07月01日(水)

630日の中国全人代常務委員会において「香港国家安全法」が全会一致で可決され、香港の一国二制度は事実上脆くも崩れ落ちる形となってしまいました。ある程度は予測されていたこととは言え、香港市民にとっての落胆は計り知れないものがあることは想像に難くありません。これを受けて今後香港から国外へ移住する者や財産を移す者が増加することが予測されます。香港は中国にとっての金融ハブ的な役割を担っており、中国は多くの外貨を香港経由で調達していた経緯があります。

 

しかし、一国二制度が反故とされたことにより、前述のように多くのヒトやカネが国外へ流出する他、香港を拠点としている多くの外資系金融機関も将来への不安から拠点を他のアジア諸国に移すことが予想されます。大方の予想ではその受け入れ先となるのがシンガポールとされています。シンガポールもそもそも金融ハブ的な機能を有しているだけではなく、中国語と英語が通じるため香港の人達が移住を考える先としては比較的ハードルが低いと言われています。

 

加えて、シンガポールの税制面を見ても、所得税の最高税率は22%、法人税に至っては何と17%と可成り魅力的な低税率となっていることもその背景の一つとなっています。とは言え、国際金融センターを目指そうとしている東京都にとってもこれは千載一遇のチャンスであることは間違いありません。国際的な金融人材を育てるには何十年もかかりますが、香港からこの機会を利用してこうした人材を呼び込むにはまたとない機会と言えるでしょう。

 

税制面や言葉の問題は勿論ありますが、税制面に関しては「国家戦略特区」制度を活用して当面の間、税制面で優遇することは可能でしょう。言葉の問題に関しましては日本人の国際化が叫ばれて久しいにも拘らず、殆ど進展して来なかったという事実はあります。そのためこの問題はやや時間を要することから誘致するという観点からはディスアドバンテージとはなり得ますが、その一方で日本文化は近年、食文化や日本人の奥ゆかしさを中心に世界から注目を浴びるようになりました。

 

これは最近多くの観光客が日本を訪れるようになったことからも見て取れます。つまり日本文化は外国人にとって極めて魅力的に映っているということであり、これは当然のことながら誘致をする上での武器になります。加えて日本の治安はどの国と比較しても比較の対象とはならない程よい安全な国とされている点も大きなアドバンテージとなるでしょう。その他、賃料水準や不動産価格についてもシンガポールや香港と比較しても低く、コスト面での優位性もあることから、税制面での優遇策を打出せば十分競争力はあるものと考えています。こうした国際金融人材や外資系金融機関を呼び込むことで、日本にとっても大きなメリットがあります。

 

日本の金融機関は長年の低金利と「貯蓄から投資へ」というスローガンが遅々として進展して来なかったため、想像以上に疲弊してきているというのが現状です。しかし、フィンテックでも大きくリードしているこうした海外の金融機関や人材に加えて、資金をも国内に呼び込むことにより、日本の金融市場も活性化されるでしょうし、人口減少ペースの鈍化も同時に図れるという利点もあり、是非ともこの機を逃すことなく、国際金融センターへの足掛かりとなる香港からの金融人材や金融機関の誘致を推し進めて欲しいと願っております。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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アフターコロナの不動産市場は激変するのか

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年06月25日(木)

ウィズコロナとアフターコロナは違うもの

アフターコロナにおける不動産市場はどのように変化するのでしょうか。最近このような質問を受ける機会が増えましたので、筆者なりに整理した考えをお伝えしたいと思います。先ずは不動産市場の動向を考える上で、アフターコロナにおける人々の生活がどのように変化するかを考える必要があります。但し、気を付けなければならないのは、最近メディアなどでもよく見かける議論の中で、よくアフターコロナとウィズコロナとを混同している議論を耳にすることが多くなってきた点です。

 

ウィズコロナは既にパンデミックが発生してしまった現状の中で様々な工夫をしながら感染者を増やさずに経済を回していく暮らし方であって、この暮らし方そのものがアフターコロナも続くという訳ではない点が混同されているように思います。ワクチンや治療薬が完成すれば、極端な3密を避ける暮らし方を続ける必要性はなくなります。またよく「コロナのような疫病は今後も発生するため、それを見据えた社会にしなければならない」とも聞きますが、そもそもコロナがパンデミック化したのは発生源での初動の遅れと各国での水際対策が遅れたことが原因であって、今の人々の暮らし方そのものがパンデミックを引き起こしたと考えるのは焦点がずれていると筆者は感じています。

 

人が集うということは人間社会の根源的な要素であり、これを根本的に変えるということは不安定な社会現象を引き起こすことになるでしょうし、経済面においても悪い影響しかないことから、今後のあるべきパンデミック対策は人が集うことを阻止することではなく、人が集うことを前提とした対策としなければ本末転倒ということになります。中国武漢でコロナが蔓延し始めた昨年末時点で武漢を完全封鎖すると共に各国が中国からの渡航者の受け入れを拒否さえしていれば、旧正月の中国から世界中にコロナ感染者が拡散することも無かったでしょうから、このような世界レベルでのパンデミックとはなり得なかったことになります。つまりパンデミック防止策はあくまでも発生源の隔離に尽きる訳で、パンデミックありきで今後の暮らし方を考えることは非現実的と考えています。

 

働き方改革やリモートワークはコロナ前からの課題

こうしたことを前提にアフターコロナの暮らしがどう変わるのかと考えた場合、実はそんなに大きな変化があるとは筆者は考えていません。働き方改革、リモートワーク、分散化、DXなどウィズコロナと共に多く使われるようになった用語ですが、これらの多くはコロナ前からも人口減少対策や生産性向上策として考えられてきた、若しくは導入が始まっていたものであり、コロナと共に発生したというよりかは顕在化・加速したと考える方が適当なのではないでしょうか。

 

そういう観点から筆者は、コロナを受けてこれまで世の中が目指そうとしていた社会の方向性が大きく方向転換したと言うよりは、社会全体がその目指そうとしていた方向性をはっきりと認識し、その方向に向けて現実に動き出しただけのことであると考えているため、根本的なベースラインに関しては決して大きな変化が生じたとは考えていません。とは言え、実際の暮らしの中にリモートワークが浸透していけば通勤頻度も減少するでしょうし、人々のライフスタイルも自ずとその環境に合わせて変化していくものと考えてはおります。そしてそうなれば当然のことながら住まいやオフィスの在り方にもそれなりに変化が生じるであろうとも考えています。

 

都心の魅力は不変

それでも根本的な部分での変化と言うのは限定的と考えています。最近メディアなどでよく見かける記事の中に、都心から郊外または地方への民族大移動が起こるというような内容のものを見かける機会が増えましたが、現実的には後述しますがそこまでの完全なリモートワークが実現すとも思っていませんし、また大多数の人々の住みたい場所に大きな変化が生じるとも考えていません。その理由としては、本質的なところで人々が住む環境に求める要素としての利便性や快適性、そして安全性といった点には全く変化はないと考えているからです。通勤にある程度時間をかけてもよいと考えている方でも、やはり住まいの近くには最低限の生活インフラである、スーパーやコンビニ、その他学校や病院などが整っていることは必須でしょう。

 

また筆者は付加価値インフラと呼んでいますが、例えばお洒落なレストランやカフェ、スタイリッシュなブランドショップの他、ライブハウスや美術館と言った文化的な刺激が得られる施設へのアクセスも重要な要素であり続けるとも考えています。こうした観点からも、例えオフィスに全く通わなくなったと仮定しても、東京で言えば銀座や六本木の他、青山、麻布、渋谷、原宿、代官山や恵比寿など所謂お洒落な街と呼ばれているところの人気は不変でしょうし、これらの街からあまりにも遠い場所に住んでしまったら文化的な刺激が得られる機会が減ってしまうため、やはり多くの人々は都心へのアクセスを重要視するという点にも変化はないともの考えています。

 

但し、リモートワークがある程度普及することを前提とすると、特に家族のいるファミリー層向けの住宅には、独立した書斎などのスペースが必須となるでしょうから、自ずと今よりは広めの住宅の需要が増すことは事実だと思います。となると価格面で今よりは郊外の物件に移り住む人はある程度増加するとは思いますが、前述のように根本的なところで都心の魅力が希薄化する訳ではないため、やはり都心の住宅についても需要が大きく落ち込むことはないと考えています。

 

オフィスの役割は変わる

また、完全なリモートワークの実現性が低いと前述しましたが、その最大の理由はやはり何だかんだ言いながら、フェイス・トゥ・フェイスの重要性にも変化はないと考えているためです。いくら様々なデジタルコミュニケーションツールが発達しても、感情面の表現だったり個々人の個性だったりを伝達するのは難しいですし、現実問題として過去2、3か月間のリモートワークで人に会わなくなったことで様々な不安を抱えたという声も少なくありません。そして何よりも人と人が接触することで起こる化学反応というものもあります。他人から得られるインスピレーションなどもいい仕事をしていく上では重要な要素であり続けることには変わりありません。これはあのアップルの創業者であるスティーブ・ジョブス氏も重要視していた要素です。

 

こうしたことから、今後はリモートワークとオフィスワークとのハイブリッド的な働き方が主流となることが予想されるため、オフィス需要が無くなることもないと考えています。加えて、オフィスはその企業のステータスでもあり、広告塔をも兼ねている他、社員の帰属意識の象徴でもあるため、今後も好立地でのオフィス需要は変わらないでしょう。但し、オフィスの役割は大きく変化するとは思います。今のように机が所狭しと並んでいる作業場としての役割は減少する一方で、同僚とコミュニケーションを取ったり、お客さんを接客するためのスペースに重点が置かれたオフィス環境となると思います。また作業場としてのスペースに関しても、仕事に集中できる工夫として、もっと人と人とのスペースに余裕を持たせたり、パーティションや個室を設けるなど、オフィス内の環境そのものは大きく変わるのではないかと考えています。

 

まとめ

以上のことからアフターコロナにおいてはリモートワークとオフィスワークとのハイブリッド的な生活スタイルが主流となるため、それに合わせる形で住宅やオフィスそのもののレイアウトなどは様変わりすることはあるにせよ、個人・企業の双方にとって引き続き都心の魅力は不変であるため、都心からオフィスが消えることもなければ都心の住宅需要が落ちることもないというのが筆者の結論です。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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知ればあなたも富裕層、資本主義経済の仕組み

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年06月16日(火)

労働者は資本家を超えられないという現実

前回のブログ「資本主義経済は危機を迎えているのか」でも記しましたように、種々問題は抱えているものの、基本的には資本主義経済は優秀な経済システムであり、ある程度のブラッシュアップは必要とはなるものの、引き続き資本主義経済というシステムは存続していくであろうし、我々はその中で生きていくこととなると思われます。但し、以前にも記しましたがこの資本主義経済にはどうしても格差の拡大という弊害が付きまとってきます。

 

フランスの有名な経済学者であるトマ・ピケティ氏の著書「21世紀の資本」の中で、資本主義経済の下では格差が生まれ更に拡大していくことを過去200年のデータ分析から導き出し実証しています。そのメカニズムの概要は、資本投下によって得られる利益(利潤、配当、利息など)は経済成長に伴って変動する給与収入を長期的なスパンで見ると常に上回っているというものであり、投資で得られる利益をr、給与所得をgとした場合、「r>g」という関係が過去200年間のデータ分析から明らかになったというものです。

 

資本主義経済の下では資本家目指すべき

つまり、労働者Aさんはどれだけ頑張って働いたとしても、資産運用をしている資産家Bさんが投資から得ている利益には及ばないということになります。ということは資本主義経済が今後とも健在であると考えると、この経済システムを利用して何らかの方法で勝ち組である資産家Bさんを目指さないのは損であり、またそれを利用することで、お金に振り回されることのない所謂フィナンシャル・インディペンデンス(経済的自立)の状態を手に入れることも可能ということになります。フィナンシャル・インディペンデンスに関する詳細は以前のブログ「資産形成から始まるフィナンシャル・インディペンデンス」をご参照下さい。

 

高いハードルも他人資本の活用で乗り越えられる

「と言われても投資するまとまったお金がなければ無理でしょう」と思われる方も多いのではないでしょうか。確かに運用利回りを5%とした場合、日本の平均給与所得である467万円を上回る投資利益を得るには9,341万円以上の資本を投下しないといけないことになります。要するに金融資産1億円以上を保有する富裕層、つまりは資産家Bさんにしか出来ないということです。野村総合研究所が2017年に各種統計から推計した日本の金融資産1億円以上を保有する富裕層は全世帯の2.4%しかいません。5000万円以上まで落としても、富裕層を含めて全体の22%しかいないのが実情であり、またその大部分が高齢者となっています。

 

高いハードルであることは事実です。毎年100万円を貯蓄したとしても1億円を貯めるには100年もの月日を要することとなります。普通のサラリーマンにとっては雲を掴むような話ではありますが、資本主義経済の下ではこの経済システムを理解して上手く利用することで、普通のサラリーマンが富裕層を目指すことも夢物語ではなくなります。資本には自己資本と他人資本がありますが、多くの方は資本=自己資本と思い込んでいるのではないでしょうか。つまり自分が金融機関等に預けている、若しくはタンス預金している金融資産のみを自分が投資に振り向け得る資本と考えている方が多くいらっしゃいます。

 

しかしこの経済システムの中で成功している人の大部分は、他人の資本を活用して自己の資産を増やしているのです。これは企業では当たり前のように行っていることで、借入をして事業を拡大するための設備投資として活用しています。そしてこれは何も法人にしか出来ないことではありません。個人でも当然のことながら出来ることであり、他人資本を活用することで富裕層となったサラリーマンも多数存在します。個人で他人資本を活用した投資として最も典型的な例が不動産投資です。銀行から資金を調達して得た他人資本を不動産に投資して、やはり他人である不動産の借手から得た賃料でローンの返済をすることで、最終的にはその不動産を完全に自己の資本にすることが出来るというビジネスモデルです。

 

不動産投資で富裕層への切符を掴むべし

「不動産投資は危険」という悪いイメージを持たれている方も多いとは思いますが、正しい仕組み理解して正しい方法で投資をすれば、決して危険な資産形成法ではなく、安全で極めて投資効率の高いビジネスモデルなのです。詳しくは以前の記事「不動産投資は他人資本を活用した積立投資」をご参照下さい。他人資本を活用した資産形成法については多くの人がそれを知らない、若しくは知ろうとしないがために富裕層への切符を逃しているのが現状です。切符は常に周りに存在しています。それを手に取るか取らないかだけで大きな差が生まれているのです。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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資本主義経済は危機を迎えているのか

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年06月09日(火)

中国が今回のコロナ感染拡大防止策として武漢を完全封鎖することで早期にコロナの封じ込めに成功したとして自画自賛しています。確かにこれは中国のような強権国家であるが故に成し得たことであると言えます。その一方で民主主義国家の代表でもある米国では世界で最も多くの感染者数、死亡者数を出すなど正反対の結果となってしまいました。結果だけを見れば確かに中国のような強権国家の方がこうしたパンデミック的な危機対応には適しているのではないかと思えるし、事実こうした議論がメディアなどでも語られるようにもなりました。

 

またこれに加えて、近年の中国の経済的な躍進なども受けて、民主主義・資本主義の終焉と言い出すエコノミストなども増えてきています。近年の資本主義経済の下では世界的に低成長、低インフレ、富の集中に伴う格差拡大などを招いており、中国の躍進から見れば大きく見劣りすることは間違いないのかもしれません。しかし筆者はこの論点にはかなりの違和感を持っています。

 

中国の躍進はそもそもグローバル化の進展と1992年から当時の最高指導者であった鄧小平氏が改革開放路線を推し進めたことによる市場経済の導入が同時進行で起きた故の賜物であったことを忘れてはなりません。1990年代初頭まで世界の工場と言われていた日本においてバブルが発生し、それに伴って不動産賃料及び人件費が高騰したことにより、その頃まだ人件費などが極めて安価だった中国が市場経済を取り入れたことにより、多くの生産拠点が中国に移って行ったことが、今の中国の躍進の起点となっています。

 

つまり、中国の躍進は資本主義的な市場経済を導入したことが功を奏したのであり、それ以前においては、例えばソ連や東欧などの社会主義国家で経済が破綻していたのと同様に、中国もまた経済面では喘いでいたというのが事実であり、決して社会主義的な計画経済の下で中国が躍進したのではなく、あくまでも資本主義経済がベースとなっていた訳であり、決して資本主義経済の終わりを意味するものではないと筆者は考えています。

 

確かに中国の市場経済は完全なる資本主義的な自由度の高いものであるかと言えばそうではありません。一部は計画経済的な側面を残しているという意味では統制された市場経済ではあります。この点は他の民主主義国家とは異なるところであり、共産党の旗振りの下で5Gやビッグデータなどを活用した新たな産業にいち早く取り組めたという点は否めませんし、こうした面は強みでもあることは事実であり、参考とする点は多いとも思います。

 

しかし、中国のこうしたイノベーションの背景には、全国民を監視するために取り組んだという一面も有している点は忘れてはなりません。強権国家が全国民の全ての行動から嗜好までを把握することで政治的な思想を監視・統制しようという試みでもあり、決して民主主義国家では受け入れられない側面ではあります。そのためこうした社会システムを全面的に参考とすることは出来ませんが、現在資本主義経済が抱えている問題点である持続可能性、つまり気象変動や経済格差の拡大と言った事柄を解決しながら更なる成長を目指すためには、ある程度の統制というシステムを取り入れる必要はあるのではないかと筆者は考えています。

 

例えば化石燃料などに比して現時点では高価で扱い難い水素エネルギーについても、強制力のある制度導入によりイノベーションも期待できるでしょうし、気象変動問題の解決にも繋がります。格差拡大の抑制については、滞留している企業の膨大な内部留保への課税などを財源としたベーシックインカムの導入により富の再分配を図ることも可能となるなど、ある程度の統制を加えることで資本主義経済の欠点を補いながら持続的な経済成長を目指すことも可能となるのではないでしょうか。

 

誤解を招かないためにも敢えて言わせて頂くと、筆者は基本的に資本主義を愛する民主的思想の持主であり、自由競争はイノベーションを産むし、ある程度の格差はやはりイノベーションに繋がるインセンティブでもあるので必要悪とも考えています。イノベーションなくして経済成長はないとも思いますので、やはり資本主義経済は経済成長を促す優秀な経済システムであると考えています。

 

しかし、その一方で「過ぎたるは及ばざるが如し」とも言います。地球のキャパには限りがあり、壊してしまえば元も子もありません。格差拡大についても、富の極端な集中は人口の大部分を貧困層に追いやることとなります。そして貧困層に追いやられる人たちは消費者でもある点を忘れてはなりません。消費者がいなくなれば、どんな素晴らしい商品やサービスを提供しても消費する人がいなければ、そもそも経済活動が成り立ちません。地球という大事な住処、そして消費者でもある一般市民が存在するからこそ経済の持続的な成長が可能となります。資本主義経済を基礎としつつ、そこにある程度の統制を加えることも必要悪なのかもしれません。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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年金制度改革法案可決も老後の心配は尽きません

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年06月02日(火)

先週6月29日の参院本会議にて年金制度改革法案が可決されました。主な内容としては以下の通りです。・繰下げ受給の上限年齢を現行の70歳から75歳に引上げ。・65歳未満の在職老齢年金の支給停止基準額を現行の28万円から47万円に引上げ。・500人以下の従業員数企業の短時間労働者(パート)も厚生年金適用対象者となる。その他、私的年金については確定拠出年金やiDeCoなどの対象企業や対象者の範囲が拡大されました。

 

前述のように、今回の改革内容は基本的には人生100年時代を見据えて、より長期間働いてもらうための改革内容であって、残念ながら年金制度そのものの充実度や健全性の引き上げと言った内容とはなっておらず、引き続き年金のみで老後に必要な資金がカバーされる制度とは程遠いものであることには変わりありません。因みに日本の年金制度が世界的に見てどのような位置付けにあるかを見る上で参考となる指標があります。

 

人事コンサルティング会社として世界的に有名なマーサー社が豪モナッシュ大学と共同でグローバル年金指数を発表しています。この指標では、「最低限の年金額が貧困層に支給されているか」「生涯賃金の70%の所得代替率を提供できているか」などから評価される「十分性」、「勤労世代の70%以上が企業年金に加入しているか」「GDPと比較して十分な年金資産があるか」などから評価される「持続性」、そして「適切な情報提供を実施しているか」「企業年金に対して積立要件を定めているか」などから評価される「健全性」の三つの視点からスコアを算出しており、スコアが高いほどよいとされているものです。

 

そしてこの指数はOECD加盟37カ国を対象としており、総合指数の平均値が59.3に対してトップはオランダの81.0という中、日本の総合指数は48.3と順位では全体の何と31位という低位に属しております。日本の人口構成が他国に比して少子高齢化が進んでいるため、こういう位置付けとなってしまうのも仕方がない面もあり、指数を上げようとすれば高福祉国である北欧のように高関税で対応するしかなく、消費税で賄おうとすると現行10%の消費税を最低でも20%、場合によっては30%まで引上げなければならないとも言われています。

 

しかし、現実問題として消費税を30%まで引上げるとなると政治的には不可能と言えるでしょうし、社会的にも資本主義を捨てて社会主義的な制度を受け入れることが出来るか否かという問題にもなり、ハードルはかなり高くなると言わざるを得ません。こうしたことから引き続き自分の老後は自分で何とかするという自助努力が必要という状況は今回の制度改正を受けても残念ながら全く変わりがないということになります。

 

出来るだけ長く働く、手持ちの資金という大切なパートナーにもボーっと銀行預金というベッドに寝かせておくのではなく、投資をしてしっかりと働いてもらうことが必要となります。その一方で、長く働くと言ってもやはり限界があると筆者は考えています。なぜなら雇う側の視点から見ても、効率面からはどうしても若手の方が使い勝手がいい上に、AIなどの進展に伴う機械化もこれからは更に進む中で、高齢者の働き手としての順位はどうしても低位とならざるを得ないからです。また働く側からみても、若手や機械という効率面ではとても適わない相手に対抗していかなければならないとなると、どうしても体力面・気力面でもついて行くことはかなり厳しいと言わざるを得ないでしょう。

 

そのため老後を迎える前に、パートナーである手持ち資金に頑張って働いてもらうことに加えて、投資効率を高めるために他人資本も活用(他人資本の活用に関する詳しい記事はこちらを参照下さい)しながら、老後は出来る限りフィナンシャル・インディペンデンス(経済的自立)という状態にしておくことが肝要となるでしょう。

 

(サインポスト投資コンサルティング 代表 石川慎二郎)

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コロナ後の安易な人員整理は負のスパイラル招く

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年05月26日(火)

コロナ禍で経済が完全にストップしてから1カ月半が過ぎようとしています。25日には全国で緊急事態宣言が解除されましたが、引き続き第二波を警戒しながらの徐行運転とならざるを得ない状況がしばらくは続きそうです。こうした状況の中、メディアなどでよく議論されているテーマの中に、コロナ後の世界がどう変わるかというものをよく見かけるようになりました。

 

身近なところではテレワークをもっと普及させないといけないという点と、これに伴って技術面でのデジタル環境整備を更に進めていかなくてはならないというものです。デジタル環境整備を更に進めると、当然のことながらAIやIoTといった技術の飛躍も付随してくるでしょう。そしてこれらの技術を活用することでソーシャルディスタンスを保ちながらビジネスを継続していく、または拡大させていくことも可能となるため、筆者としては新たな産業への期待もあり、基本的には大歓迎と考えています。

 

しかしその一方で、議論の焦点がソーシャルディスタンスを保つためのテレワークという点に集中しており、こうした新たな技術がもたらし得る社会的な変化についてはあまり議論されていないのがやや気にかかります。こうした新たな社会インフラが進むことで、企業の経営者からすれば当然ではありますが、こうした技術を活用して省力化も同時に進めようとするでしょう。そしてその省力化の対象となるのは、そこで働く人ということになります。つまり省人化です。

 

このAIを活用して省人化を進めようとする流れはコロナ前からも既に考えられていたことであり、ウィズコロナのBCP(事業継続計画)という課題が加わったことで更に加速したに過ぎません。コロナ前でも多くの企業において、企業業績が好調であったにも拘らず希望退職を募って人員削減をしようとする試みが目立ち始めていました。更なる経営の効率化と将来的に70歳までの雇用が義務化される前に、その対象となり得る人員の整理を進めようとすることがその背景にあります。

 

つまり、デジタル環境の整備はソーシャルディスタンスの維持に有効ではありますが、その副作用として省人化の流れが加速するという社会的な変化にはあまり議論の矛先が向けられていないことに不安を感じています。人が機械に置き換えられていくことで、失業する人、若しくは著しく収入が減少する人が大勢出てくることも考えておかなければなりません。

 

企業側にしてみれば経営効率が上がるので何の問題もないと考えているかもしれませんが、忘れてはならないのは、その犠牲者たちは同時に消費者でもあるという点です。どんどん機械に置き換えていくことで目先は経営効率が上がるでしょうが、提供している商品・サービスを利用する消費者が失業していくことで、ビジネスそのものがどこかの段階で行き詰まってしまうという点も考慮しておかなければならないと筆者は考えます。

 

AIなどの進歩により新たな仕事も創生されるため心配ないという識者もいます。そういう識者達は「人間にしか出来ない仕事」とか「感性を必要とする仕事」が増えるから大丈夫とはいうものの、非常に抽象的で具体性に欠くことしか言いません。またそうした新たな職が出来るまでには時間的なギャップもあるでしょう。しかし、失業していく人たちはこのコロナ不況の影響もあり、今後待ったなしで増えていくことと思いま。

 

そうした人たちの受け皿として、例えばベーシックインカムの導入といったもっと具体的な方策について真剣に議論する、またはそもそも省人化ではなく、機械に置き換えられようとしている人たちのリカレントを真剣に考えて新たなビジネスに繋げていくなどの議論をしていかないと、どんなビジネスも成り立たなくなる世の中になってしまいます。

 

近視眼的な考え方では資本主義経済の崩壊は避けられません。目先の方策が中長期的にどのような結果をもたらし得るのかという視点でコロナ後の対策を練らないと、大恐慌どころの騒ぎでは収まらない事態を招きかねません。こうした議論の活発化を期待しています。また個人ベースでは、これまでのように一つの収入源に頼るのではなく複数の異なる性質を持った収入源を持つことでリスクヘッジをすることが求められる時代に突入したのだと思います。この点に関する詳細については以前の記事「コロナ禍に伴う景気後退で二極化は加速する」を参照して下さい。

 

(サインポスト投資コンサルティング  代表 石川慎二郎)

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借金は活用すべき大切な資産であり「悪」ではない

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年05月20日(水)

一口で借金と言ってもその性質は様々です。例えば消費者金融でお金を借りて、そのお金で豪遊する若しくはギャンブルに注ぎ込んで磨ってしまう。そしてその借金を返すために他の消費者金融でお金を借りて最初の借金を返すと言った所謂借金地獄に陥るのはどう見ても「悪」以外の何物でもありません。では住宅ローンを借りて住宅を買うのは如何でしょう。諸説あると思いますが一般的には「悪」であるという人は少ないのではないでしょうか。

 

借入がある一方で、経済的価値のある資産を所有することとなるため抵抗感なく借入れることが出来る点がその背景にあるものと思われます。「金持ち父さん、貧乏父さん」で有名なロバート・キヨサキさんに言わせると住宅はただのコストセンターなので資産ではない、つまり「資」を「産む」もののみが資産でありコストセンターである住宅は資産と呼んではいけないと仰っています。確かにキャッシュフローベースで考えると一理あるとは思います。

 

しかし、バランスシートベース(貸借対照表)で考えると、左側の「資産の部」に掲載される経済的価値のある資産科目であるという観点からすれば直接的に「資」は産んでいないものの、資産と呼んでもいいのではないかと筆者は考えています。もう一つの借金としては投資をするためのものがあります。例えば自己が住むための住宅ではなく投資用不動産を購入するための借金は如何でしょう。これについては抵抗を感じる方は決して少なくないのではないでしょうか。

 

しかし筆者はこれこそ「悪」どころか最も経済合理性のある借金であると考えています。なぜなら、投資用不動産は住宅と同様にバランスシートで考えてもバランスシートの左側に掲載される資産科目であるだけではなく、キャッシュフローベースで見ても、正にロバート・キヨサキさんが本物の資産と呼ぶように「家賃収入」という「資」を「産む」仕組みを持った資産でもあるためです。

 

このように言うと、「いやいやいや、でもレバレッジは怖いでしょう」と反論される方もいらっしゃると思います。しかし、考えてみてください。皆さんがお勤めの企業も銀行からお金を借りて設備投資をしています。「規模の経済」という観点から、大量に生産した方が単位当たりの製造コストを下げることが可能となるだけでなく、同じ販売員の人件費でより多く販売する方が利益率も上がるため、経営効率を高めることが出来るのです。

 

つまり企業は自己資本のみならず、銀行から資金を借り入れることで他人資本を有効活用して経営している訳です。そして企業と同様に、個人も銀行からお金を借りて不動産に投資することで、他人資本を有効活用しながら効率よく資産形成が出来るのです。他人資本を活用した資産形成については過去の記事「不動産投資は他人資本を活用した積立投資」をご参照下さい。こうして見てきましたように、借金はその使い方により良いものにも悪いものにもなります。そして正しい使い方をすることで効率よく資産形成をすることが出来る極めて優秀なツールともなるのです。

 

もう一点忘れてはいけないのは、誰でも投資用不動産を購入するための借金をすることが出来る訳ではないという点です。スルガ銀行のような悪質な事件もありましたが、基本的には銀行からお金を借りるには厳しい審査に通った人しかできません。一定程度の安定した収入のある人しかこの審査には通らないのです。つまり、借金をして不動産投資が出来るということは、ある意味それ自体も資産なのです。多くのサラリーマンの方がこれに当てはまりますが、その資産はとてもパワフルな武器であり活用しない手はないと思います。

 

(サインポスト投資コンサルティング合同会社 代表 石川慎二郎)

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コロナ禍に伴う景気後退で二極化は加速する

カテゴリ: ブログ 公開日:2020年05月13日(水)

我が国はバブル崩壊後の1990年代後半から「失われた20年」という経済環境の中、非正規雇用者が増加傾向を続け二極化が大きく進展してきました。その背景としては、バブル崩壊後の日本経済が長期低迷したことに加えて、グローバル化の進展に伴って、特に製造業の多くが国際競争に晒されたことがその主な原因となったと言われています。

 

つまり、景気の低迷と国際的な価格競争の中、多くの企業が経費削減のために正規雇用を抑制する一方で、相対的に賃金水準の低い非正規雇用を増加させてきたことが、二極化を招いた直接的な原因となった訳です。裏を返せば多くの企業が業績拡大のための努力をせずに、経費削減という安易な経営戦略を採用してきたためとも言えます。

 

確かに経営者側の目線から見れば、経営環境が悪化する中、増収策を練るより経費削減による増益を目指した方が容易であるだけでなく、株主にも評価される上に自分たちの役員報酬も上がるという一石三鳥が狙えるのだから無理もないのかもしれません。しかしその一方で世界に目を向ければ、この間も世界経済は拡大を続け、GAFAのような巨大企業が誕生してきたという事実もあり、経営努力次第ではこの流れに乗ることも充分可能だったという点を忘れてはいけません。

 

とは言え、残念ながら日本の経営者の多くが世界や新たな産業に目を向けることなく、ただただ安易な経費削減という方策に生き残りをかけたのである。そしてこの流れはコロナ後も変わることなく、むしろ加速すらしていくのではないかと危惧しています。その理由は2つです。一つ目はコロナ禍に伴う景気への影響が今後しばらく続く可能性が高いことから、経営者は今後も人件費の抑制に邁進するであろうことが予想されることに加えて、2つ目の理由としてはAIやIoTと言った技術革新に伴い、人員削減を更に進め易くなる環境が整ってくるためです。

 

2つ目の理由として挙げた技術革新の影響は更に深刻な状況を招きかねないと思われます。なぜなら、AIは所謂ホワイトカラーをも置き換えてしまうため、その影響はこれまでのグローバル化による打撃が製造業を中心としていたものが、製造業にとどまらず金融、商社、小売、運送などのサービス産業にも広がっていく可能性が高いからです。

 

そして残念ながら、日本企業はこうした新しい分野における研究開発の面で大きく後れをとっているのが現状であり、こうした技術を活用した新たな産業の流れに乗れる企業は限定されるため、多くの企業において今後とも雇用調整や賃金抑制といった人件費の削減が更に進むことで、経営者と労働者の溝も更に開いて行くため、二極化は益々加速していくことが不可避と考えています。また雇用調整や賃金抑制策の一環として、今後考えられるのが雇用形態の多様化だと思われます。

 

非正規雇用を増やすだけではどうしても生産性が落ちるため、個人事業主とのフリーランス契約を増やしたり、正規雇用者についてもその雇用形態はこれまでとは異なり、報酬制を導入したり、賃金を削減する一方で副業を認めるなど多様化が進むものと考えられます。

 

そうなると個人レベルでは、大部分の人の収入は基本的に減少することとなるだけではなく、企業の業績や個々人の実績次第で上下に振れることとなるため、不安定化もしてくる可能性が高くなります。こうした収入の減少や不安定化を補うため、今後は複数の収入源を持つことが必要となってくるでしょう。

 

同じスキルを複数の企業で活かす、または複数のスキルを持つことで異なる業務を兼務するといった仕事の幅を広げることで収入源を多様化させることが求められてくる一方で、忘れてはならないのが手持ちの資金という大切なパートナーにもしっかりと働いてもらうことです。

 

ただ単に普通預金口座にて眠らせておくのではなく、投資をすることで新たな収入源として稼いでもらう取り組みも必須となってくるでしょう。また、他人資本の活用(他人資本の活用についての詳細は「不動産投資は他人資本を活用した積立投資」)という新たなパートナーにも稼いでもらうことで収入源の幅を大きく広げることが可能となるため、こちらについても真剣に取り組むことを是非とも検討して頂きたい。

 

(サインポスト投資コンサルティング合同会社 代表 石川慎二郎)

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